楽々Webデータベースで備品管理・貸出管理(携帯電話の貸出管理)をしてみよう
企業が備品管理・貸出のルールを作るべき理由とは?
企業における備品管理・貸出ルールとは、「いつ・誰が・何を・いくつ・いつまで持ち出したのか」などの記録や管理方法について定めたものです。作るべき理由を見ていきましょう。
業務の効率化が見込めるから
備品の使用・貸出状況や保管場所の管理についてルール化しておくことで、従業員の業務効率化が見込めます。具体例は次のとおりです。
- 備品を探し出す手間が省ける
- 棚卸し作業が楽になる
- 総務部や管理担当者の負担が減ってほかの作業に労力が割ける など
作業が効率化されれば作業時間も減り、労務費の削減にもつながるでしょう。
無駄な経費の削減につながるから
ルールを決めることで、セキュリティ面やトレーサビリティが強化されます。トレーサビリティとは、「搬入・製造・出荷などの過程の追跡のしやすさ」のことです。具体的なメリットを見ていきましょう。
- 備品紛失が発生しても「誰が」「いつなくしたのか」が特定でき対処しやすい
- 貸出に「了承印」「申請書」「個数制限」などのルールを設けることで不用意な持ち出しが減る
- 情報流出やデータ破損のリスクが減る
- 無断持ち出しや備品の横領など不正にすぐ気づける など
記載方法は手書きでも問題ありません。ただし消えないペンで執筆したり、PDF化したりなど、後から内容変更ができないような工夫が必要になります。
ずさんな管理体制が明るみに出ると、企業のブランド価値や従業員の士気低下にもつながります。それを防ぐ意味でも備品管理・貸出ルールの設定は重要事項です。
備品管理・貸出ルールを運用するコツは?
やみくもに備品管理・貸出のルールを設定しても、効果が出なければ意味がありません。備品管理・貸出ルールの運用のコツをご紹介します。
備品管理・貸出のルールの内容を精査する
備品管理・貸出のルールは、クリティカルな部分を押さえて適切に作成・管理する必要があります。以下でルールの一例を見ていきましょう。
- 従業員が覚えやすく守りやすいルールにする
- 定期チェックの周期・日時を決めておく
- 一連のフロー(見積りや購入申請、購入、貸出までなど)をまとめ従業員に周知する
- 備品の購入・廃棄・貸出には一定の条件を設ける など
定めたルールはマニュアルでまとめ、誰でも閲覧できるようにしておきます。ルールを反映した機械的なシステムやアプリを構築すれば、さらに効果的に運用できるでしょう。
事前に備品を整理整頓しておく
ルールを運用する前に備品関係の整理整頓を進めておくことをおすすめします。
- 不要な備品を廃棄して管理の絶対数を減らす
- 備品をカテゴリー別に分ける
- カテゴリー別に分けた備品をラベリングする
- 備品の保管場所を決めておく など
特に企業の規模が大きいと、備品の在庫も多くなり管理が複雑になります。早めに整理整頓しておきましょう。
備品管理台帳の作成する
備品の種類や貸出状況などのデータは、備品管理台帳を作成して一元でまとめておくと便利です。台帳に記載する項目の一例は次のとおりです。
- 備品の名前
- 購入日・廃棄日
- 貸出日・返却日予定日・返却日
- 在庫数
- 利用者名
- そのほか備品ごとの注記 など
上記の内容を台帳に記載しておくと、利用状況や在庫数が瞬時に把握できます。
複数の記憶媒体に備品管理のデータを保存しておく
データ紛失・改ざんのリスクも考えると、備品管理のデータは複数の記録媒体で保存しておくべきです。例えば紙媒体への出力やPDF化、社内用のUSB、クラウドへの保存などが考えられます。
特にクラウド環境は、時間・場所に関係なくデータの閲覧や共有、更新ができるため、より効率的な備品管理が可能です。
備品貸出の管理に必要な記録・記載事項の実例
ここでは「企業で携帯を貸し出すケース」を想定し、「従業員に貸し出す際に管理すべき情報と手順」を見ていきます。
携帯貸出を管理する際は、まず次の情報をマスタデータとして登録しておくと管理がスムーズです。
携帯貸出の管理に必要な情報 | 概要 |
---|---|
携帯管理番号 | 携帯を管理するための固有番号 |
携帯会社 | 携帯の契約会社 |
機種名 | 携帯の機種名 |
電話番号 | 携帯の電話番号 |
メールアドレス | 携帯のメールアドレス |
実際に携帯を貸し出す際には、従業員に「貸出用の申請書の記載」をお願いします。記載内容は次のとおりです。
申請者が記載する項目 | 概要 |
---|---|
申請番号 | 通しで管理している申請の番号 |
貸出申請日 | 貸出を申請した日 |
利用者の名前 | 貸出携帯の利用者 |
所属 | 貸出携帯の利用者の所属 |
利用用途 | 携帯の利用用途 |
貸出担当者は前述のマスタデータを携帯利用者に割り当てることで、「誰に」「どの携帯を」「どのような目的で」貸し出しているのかを把握できます。
多くの企業ではこうした備品の貸出についての情報を、エクセルで一括管理することが一般的です。
しかしエクセルだと、貸出情報の記載漏れのリスクがあったり、貸出・返却の連絡を別途行う必要があったりなどのデメリットも存在します。
もし管理のミス防止や業務の効率化を図りたい場合は、「楽々データベース」を用いて貸出申請・返却の管理を一括で行えるアプリを作成することをおすすめします。
楽々Webデータベースで携帯電話の貸出管理を実践
楽々Webデータベースを使って、携帯電話の貸出管理をしてみよう。
よくある課題
- 依頼方法が複数あるため漏れが発生する
- 受渡に対する連絡は別途電話やメールで行う必要がある
- 過去の貸出履歴も確認したい
楽々Webデータベースでできること
- ブラウザ上で依頼できるので抜け漏れの心配がない
- データを更新するとシステムが自動でメールを送信してくれる
- 端末ごとの貸出履歴を確認することができる
貸出申請アプリを作成する
携帯電話の貸出申請をするアプリを作成します。
ここでは、貸出用携帯の情報を管理する「貸出携帯一覧」アプリは作成済みとします。
01.アプリの作成画面を開く
アプリの新規作成画面を開きます。設定したい項目を左画面にドラッグ&ドロップします。
02.アプリに必要な項目を設定する
項目名、レイアウト、入力幅、ラジオボタンの選択肢などを変更します。
変更前
変更後
03.メール通知の設定をする
貸出申請後と携帯割当後に、それぞれメールが自動で送信されるように設定します。
まずは、貸出申請後の設定から行います。
宛先・件名・メール本文を設定したら「適用」をクリックしましょう。
「データ更新後にメール通知」の「一件追加」をクリックし、携帯が割り当てられた場合のメール通知も、同じように宛先・件名・メール本文・実施条件を設定します。
04.自動入力の設定をする
後に作成するサブアプリ「携帯返却申請」の自動入力設定は、ベースとなるアプリで行います。「返却申請日」項目に値がある場合、「返却申請中」が自動で選択されるように設定します。
自動入力する項目や、入力する内容、条件を設定したら「適用」をクリックしましょう。
05.データを絞り込む設定をする
自分が申請したデータのみ表示されるように設定をします。ログインユーザ絞り込みに使用するユーザ型項目に「利用者」を指定します。
携帯貸出申請アプリの設定は一旦終了です。
返却申請アプリ(サブアプリ)を作成する
貸出申請アプリができたら、返却申請用のアプリとしてサブアプリを作成しましょう。 返却申請用アプリでは、自分が申請し、かつ貸出状況が「貸出中」なっている申請だけを更新できるようにする必要があります。
サブアプリとは
- 一つのアプリを元に派生させたアプリのこと
- データの閲覧・ダウンロードおよび、データの登録・更新機能が利用可能
- 元になるアプリやそれぞれのサブアプリ間で登録・更新したデータを参照できる
- サブアプリを複数作成することで、人によって項目の入力可/不可、表示/非表示を切り替え可能
01.ベースアプリ内からサブアプリを作成する
ベースアプリの編集画面から「サブアプリ作成」を選択します。サブアプリ名をつけ、作成ボタンをクリックします。
同じようにして他の置換パラメータも指定しましょう。
02.フォームのレイアウトを変更し、データの保護を設定する
返却申請用にレイアウトを変更します。
また、入力はさせずデータの表示だけさせたい項目をクリックし、プロパティからデータの保護を「有効」にします。
03.データを絞り込む設定をする
自分が申請し、なおかつ貸出状況が「貸出中」「返却申請中」のデータのみ表示されるように設定をします。
ログインユーザでの絞込み設定
「携帯貸出申請」アプリと同様に設定してください。ログインユーザ絞り込みに使用するユーザ型項目に「利用者」を指定します。
データの値による絞込み設定
データ絞り込み設定にて、「貸出状況」項目の値が「貸出中」または「返却申請中」のデータのみ表示するように、条件を設定します。以下のように設定することで、条件に合致するデータで絞り込めます。
04.メール通知の設定をする
「携帯貸出申請」アプリと同じ手順で、携帯の返却申請がされた際のメール通知を設定をします。
「データ更新後にメール通知」の「一件追加」をクリックし、宛先・件名・メール本文・実施条件を設定します。
以上で、携帯返却申請アプリの設定は終了です。
貸出可能携帯一覧アプリを作成する
貸出申請がされたら、担当者は貸し出す携帯電話を割り当てる必要があります。
そこで、どの携帯が貸出可能なのか確認できる「貸出可能携帯一覧」アプリを、ジョインアプリを使って作成します。
このアプリを申請アプリでポップアップで呼び出せるように設定することで、割り当ての連絡をメールで行えます。
01.ジョインアプリの作成画面を開く
右側のメニュー部分に、作成したアプリが表示されます。
02.アプリを共通項目で紐づける
「貸出携帯一覧」アプリを一番左側に、携帯返却申請をその隣にドラッグ&ドロップで配置します。
貸出携帯一覧」アプリの「管理番号」をクリックした後、「携帯返却申請」アプリの「管理番号」をクリックすると、アプリ同士を紐づけることができます。また、関連付け設定は「左結合」にしておきます。
03.貸出申請アプリにてポップアップで呼び出せるようにする
ポップアップの設定は「設定」>「フォーム」から行います。
今回は「管理番号」項目で、先程作成したジョインアプリ「貸出可能携帯一覧」アプリを参照できるように設定します。
参照先アプリを選んだ後、参照先アプリの項目をアプリのどの項目に戻すのか設定します。最後に「設定」をクリックすると、ポップアップ設定が完了します。
04.貸出申請時に不要な項目を非表示にする
申請時には使用しない項目を、ドラッグ&ドロップで「非表示項目」欄に移動させます。
以上で、携帯貸出申請アプリの設定は終了です。
携帯電話の貸出管理アプリが作成できました
- 「携帯貸出申請」アプリで、貸出の申請ができます。担当者は参照ボタンから「貸出可能携帯一覧」アプリを参照し、割り当ての連絡もできます。
- 「携帯返却申請」アプリで、返却の申請ができます。
携帯貸出申請アプリ
携帯返却申請アプリ
- 今までの携帯電話の貸出履歴が確認できたらもっと便利だな…
- 「貸出携帯一覧」アプリと「携帯貸出申請」アプリをリンクアプリで繋げることによって、貸出履歴を簡単に確認できます。
貸出履歴アプリ(リンクアプリ)を作成する
01.新規作成からリンクアプリ作成の画面を開く
リンクアプリの作成画面を開きます。右側には、作成済みのアプリが表示されています。
02.関連づけたいアプリの項目をリンクさせる
「貸出携帯一覧」アプリと「携帯貸出申請」アプリを、右のリストから左にドラッグ&ドロップします。
「貸出携帯一覧」アプリの「管理番号」をクリックした後、「携帯貸出申請」アプリの「管理番号」をクリックすると、アプリ同士を紐づけることができます。
アプリ名を付け、作成をクリックするとアプリが作成されます。
リンクアプリが完成しました
「貸出携帯一覧」アプリを起点とし、履歴を確認したい端末を選ぶと、その端末を「誰がいつ申請をしたのか」といった履歴を確認できます。
管理番号「001」の貸出履歴を確認した場合