ファイリング
目次
紙ファイリングと電子ファイリング
ファイリングは資料を整理・分類して保管し、廃棄するまでの仕組みのことです。
本記事では、紙ファイリングと電子ファイリングの違いやそれぞれのメリットについてご紹介します。
ファイリングとは
ファイリングとは書類の整理や保管を行うことを指します。
また単に整理や保管を行うだけでなく、「一定のルールに従い、書類を分類・保管し、廃棄までの流れを分かりやすくする仕組み」のことを指す場合もあります。
ファイリングを行うことで、情報の共有化がしやすく、業務が効率化できます。
ファイリングには大きく分けて、「紙ファイリング」と「電子ファイリング」があります。
紙ファイリング
紙ファイリングとは、その名の通り紙資料を分類・保管する方法です。
整理方法には主に「簿冊型」と「バーチカルファイリング」などがあります。
簿冊型
穴開け式のバインダーに綴じ、背表紙を見えやすいように配架する方法です。
文書がバラバラになりにくく、順番に整理しやすいのが特徴です。
帳票やコンピューターからアウトプットした用紙などが向いているとされます。
バーチカルファイリング
文書を個別フォルダに挟み、見出しをつけて管理する方法です。
オフィスではキャビネットや引き出しなどに入れて管理することが多くなります。
文書が入れやすく捨てやすく、省スペースなのが特徴です。
電子ファイリング
電子ファイリングとは、電子媒体を使ったファイリングのことを指します。
WordやExcel、PDFなどのファイルや画像データファイルなどが対象になります。
基本的に紙文書と同じように分類します。ファイル名は探しやすいものを設定します。
内容が分かりやすく、ソートした時に探しやすいことが条件です。
紙類のものは帳票類や技術文書、議事録など紙ベースの資料をスキャニングして保管します。
※監修者コメント
電子ファイリングでは格納された資料が編集不可のものと、入力・編集して使用するものがあり、それぞれ利用実態をよく考えて保存形式を選ぶ必要があります。ひな形を用意する場合は、誰もが入力可能な形式にすることで変換の手間を省くことで効率化につながります。
電子ファイリングが業務効率化に繋がる理由
電子ファイリングは、紙ファイリングに比べて以下のようなメリットがあるとされています。
管理上の効率アップ
紙の文書の場合、目的のものを探すのに大きな手間がかかることが多くなります。
それに比べて電子ファイルは、紙文書に比べて検索しやすいため目的のものを探しやすくなります。
また紙文書の維持には、什器、コピー、賃借料などのコストがかかりますが、これを電子化することで削減できます。
さらに自然災害などの万が一のリスクにも備えることができます。
たとえば事業継続計画(BCP)などで、文書を安全な場所に保管する際には、耐火金庫などのコストがかかることも出てきます。
また文書を取り寄せるのにも時間がかかります。
電子ファイルであれば、自然災害などによる紛失のリスクを減らすだけでなく、バックアップやコピーから迅速に業務を復旧させられます。
管理が簡単になる
電子ファイルは、電子署名や承認管理、バージョン管理などの文書のライフサイクルに合わせた管理が簡単になります。
文書管理システムなどと組み合わせることで、内部統制もしやすくなります。
取り出しが円滑かつテレワークに有効
電子データなら同時に複数の社員が閲覧することが可能です。
情報の共有化がしやすく、業務サイクルのスピードアップが期待できます。
さらに電子ファイリングを導入すれば、どこからでもファイルの閲覧が可能なので、社外でも確認できます。
そのためテレワーク導入の準備を整えたい時にも便利です。
※監修者コメント
電子ファイリングは、データ化することによって保管場所などの制約が減り、保管管理も効率化できます。また、複製が容易で即時の転送も可能です。伝達が早いことによる時短効果と、一度に多くの人がさまざまな場所からデータの共有が可能になる、マルチアクセスによる業務効率の向上が期待されます。
電子ファイリング活用における注意点
電子ファイリングはメリットも多い方法ですが、注意点もあります。
既存の紙文書の電子化の工数がかかる
すべて電子ファイリングする場合、これまで紙文書で保存していたものをすべて電子化する必要があります。
そのため文書が多い場合、電子化するまでに時間がかかることも多くなります。
すべて自社内で行うとなると、作業効率が上がらないこともあります。
その場合は、専門業者に外部委託やツールを導入するなど、自社に合った方法を導入するのがおすすめです。
社内・社外文書の管理が必要
企業で使用する文書は、社内用と社外用のものがあるので、それぞれ管理が必要です。
そのため業務や社内の規定に合わせた管理が大切です。
通常の文書管理ソフトは手法が単一であることが多いので、社内での管理方法に合わせてツールなどの導入を検討する必要があります。
管理体制の必要性
電子ファイリングのメリットを最大限に活かすには、管理体制も考える必要があります。
たとえばクラウドのストレージを利用し管理する場合でも、一時的な処置として部署やグループごとに分けて管理を行う場合があります。
この場合、全体の文書を管理することが難しく、紛失が起こりやすくなってしまいます。
さらに管理者が退職や異動する際には、閲覧・編集権限の移行を行うなどルールの制定も必要です。
このようなルールを守り、電子ファイリングを効率的に管理・利用できるように管理組織図などを作ることが重要です。
電子ファイリングを導入する前に、このような管理体制について整備しておきましょう。
※監修者コメント
電子ファイリングで業務を円滑にするためには、電子ファイルの取扱いや管理方法などのルール作りとその順守が必要です。組織内でコンセンサスを形成し、策定通りの運用管理が着実に行われることではじめて業務効率化は可能になります。
電子ファイリングの活用が業務円滑化に繋がる
電子ファイリングは紙ファイリングに比べてメリットの多い方法です。
導入の際には、紙媒体のデータの電子化など工数がかかりますが、一旦電子化してしまえばその後の管理は円滑になります。
ファイリングについて新たな方法を模索している企業は検討してみてはいかがでしょうか。
楽々Document Plusで電子ファイリングを簡単に実現
楽々Document Plusは、住友電工情報システムが開発・販売している文書管理・情報共有システムです。ファイルの中まで検索できる全文検索や承認、版管理など豊富な機能を取り備えています。また、業務や文書の種類ごとにフォルダや権限を変更できるので、管理体制を整えたうえで社内用文書と社外用文書を一元管理できます。
さらに、楽々Document Plusなら、離れた場所でも資料をリアルタイムに共有でき、テレワーク環境でのストレスフリーな資料共有を実現できます。
監修者プロフィール:
中小企業庁 ミラサポ専門家派遣 登録専門家。 2002年よりITサポート事業を創業。ITサポートエンジニアとして、現在も現場の第一線でサポート実務を行う。オーダーPCの設計、製作をはじめ、IT環境のリプレース、ハードウェアリペアなどを行いながらWeb上を中心にQAサイトの専門家回答者、メディアへの記事監修協力、IT記事寄稿なども行っている。