文書管理システム導入で失敗しないための6ステップ
文書管理システムの導入を検討しているけど、「どのような流れで進めれば良いかわからない…」 「導入までに何か準備しておくことはあるのかな?」といった疑問にお答えすべく、ここでは導入までの流れや、製品選定の前に準備しておくことについて概要をまとめました。
すでに製品の選定段階に入っていても遅くはありません。
導入効果を最大限に引き出すためにも流れを把握しておきましょう。
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目次
Step1.システムに求めることを明確化しよう
まずは、何のために、どのようなシステム(機能)が必要なのか、「要件」を明確にすることが重要です。要件を明確にせず導入をすすめると、安価なSaaSサービスを選択して目先の課題しか解決できず結局社内のペーパーレス化が進まなかったり、シェアやベンダーのネームバリューで選択して操作感が思っていたものと違い社員からクレームがくるなど、“自社にとって必要な要件が満たされていない”という事態になりかねません。
そうならないためにも、自社が文書管理システムに求めることは何なのかを明確にしておきましょう。
課題整理
「要件」を明確にするために、まずは現状どの業務でどのような問題があるのかを洗い出します。
たとえば、業務フローチャートを作成し、担当者にヒアリングすることで問題点が見えてきます。
その問題点について担当者と認識をすり合わせながら課題を整理していきます。このとき、システム化が万能な解決策だとは思わず、システムと運用を組み合わせて問題点を解決することが重要なポイントです。
このように業務と問題点を洗い出し、課題を整理しましょう。
投資対効果
課題が明らかになったら、その課題の重要度や、解決によってコスト・工数・ミス(不具合)がどの程度削減されるかを算出し、投資対効果に関する適切な指標を決めます。
この指標を決めることで、予算やシステムに求める機能に優先順位をつける目安にもなります。
要件を整理
課題整理と費用対効果を算出できたら、そこからシステムに求める「要件」をまとめます。
おすすめの方法として、業務フローごとに下記を表にまとめることで、ベンダー側との認識合わせや、製品を比較検討する際にも非常に役立ちます。
- 課題
- 改善点(どう改善したいか)
- 求める機能
- 優先順位(必須orできれば欲しいのようにレベル分けをしておくのもおすすめ)
また、予算や希望納期、利用者数、管理対象の文書数も併せて明記しておくことで、導入までスムーズに進めることができます。
以上のよう要件をまとめて、システム導入の方針を確定させておくことで、要件がブレずに検討を進められます。
Step2.どれにする? システムを調査しよう
システム導入の基本方針を明確化させたら、いよいよ調査に動き出します。 一般的には、Web検索や展示会、販売会社からの紹介などでどのようなシステムがあるのかを調査します。その中で気になるシステムがあれば問合せを行い、実際にデモを見るなどベンダーからの提案を受け、自社の要件を満たせるかを確認します。
Step3.システム導入を決めよう
各社からの提案が出揃い、要件を満たせるシステムが見つかったら、ベンダー/システムを選定します。複数社を比較する場合は、費用面だけでなく、サポート体制や製品の将来性(継続的なバージョンアップがあるか、長期間に渡って保守が受けられるか)といった観点からも評価を行い、発注先を決定します。
発注先が決まれば、稟議等の社内手続きを進めると共に、発注先とは納品後の進め方について確認をします。
Step4.システムを構築しよう
発注後、納品したらゴールではありません。
納品したらシステムの構築を行うわけですが、その前に、どのように構築するか「設計」をしっかりしておくことが肝心です。また、構築後もすぐに本番化するのではなく「本当にこれで問題ないか」を試運転して確認しておきましょう。
設計
何事も最初が肝心で、自社に合わせた運用ができるように、
- 利用ユーザの情報や、それらをまとめるグループをどう作るか
- フォルダをどのように分けるか
- 権限設定はどうするか
- 承認ワークフローの経路はどうするか
を構築前に設計します。
ただし、従来の運用方法をすべてそのまま再現するのではなく、多少は製品の仕様に合わせて、運用を見直すことも必要です。
たとえば、元々5000個のフォルダで管理していたので、そのままシステム上でも5000フォルダ作るや、ワークフローのパターンが細かく分かれるので、大量のワークフロー経路を作成するとなると、設定やメンテナンスが煩雑化し効率化は図れません。
設計と並行して運用方法も見直しながら、より使いやすいシステムにしていきましょう。
構築
設計を基に組織情報の登録やフォルダ作成などシステムの構築作業に移ります。
担当部門は企業様によってさまざまですが、すべてを情報システム部門やベンダーに丸投げするのではなく、できるところは導入部門が主体的に手を動かすことで、本当に使いやすいシステムに仕上げることができます。
試運転
構築後は、すぐに本番化するのではなく、利用者を限定し業務に問題がないか試運転を実施します。問題点があれば適宜調整を行い本番化できる状態に整えます。
また、既存システムやファイルサーバから移行する文書があれば、本番化の前に移行しておきます。
このように、いきなり構築に入るのではなく、設計→構築→試運転と順に実施し、本番化後のトラブルを最小限に抑えましょう。
Step5.いよいよ本番化!
試運転で問題ないことが確認できたらいよいよ本番化です。 必要に応じて、業務マニュアルの作成や改定を行います。説明会などを開催し、前もって新システムを理解してもらう活動を行うのも効果的でしょう。 また、本番化直後は使い方の問合せなどが集中することも想定されます。問い合わせの窓口担当などを決めておくなど、システム外の準備も万全を期して、本番化を迎えましょう。
Step6.導入の目的は果たせてる? 効果測定を実施しよう
一定期間の運用後、当初想定していた課題解決は実現できているか、費用対効果は得られているかを効果測定します。もし、実現できていない箇所があれば、問題点の調査・改善を行っていきます。
システムの導入によって、生産性や業務効率が向上したりしてはじめて導入の成果が出たと言えます。そのためには、導入後も、PDCAサイクル(Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善))を繰り返し実施していくことが重要です。
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