起案とは? 意味や使われる場面など

起案とは? 意味や使われる場面など

ビジネスではさまざまな文書を作成する機会があります。
しかし、種類が多いためそれぞれの意味や意義、違いについてはっきり覚えていないことも多いのではないでしょうか。
本記事では、ビジネス文書の中でも「起案」にスポットを当て、意味や使い方、稟議との違いなどについてご紹介します。

起案とは

起案とは、事業を遂行する上で必要な決裁を得るために決定すべき内容や理由などを文書の形式にまとめ上げること、作成することを指します。
そして起案内容を記載した文書のことは「起案文書」と呼ばれます。
起案を行う目的は、組織の意思決定の記録を明確に残すことで、事業の効率性・円滑性を保てるとされているためです。
例えば、自治体では起案文書に基づいて住民などへの対外的な説明責任を果たせます。
起案の業務が必要なシーンは多岐に渡りますが、例えば以下のようなものが挙げられます。

押印申請

押印申請とは、契約書や請求書などに印章を押印するための申請フォームのことです。
書類に押印されることにより、その書類の内容が公式に認められたことになります。

押印申請

契約審査

契約審査は、契約が適正なものであるかを審査することです。

融資稟議

融資稟議とは、借入申込人の借入資格や信用状態は十分であるか、資金使途および必要資金量は妥当であるかを審査することです。

※監修者コメント

起案文書はその種類や内容によって、記載する必要事項が異なります。また、同じ種類の起案文書であっても、組織によって作成方法やルールは異なります。記載方法やルールが組織内で統一され、浸透しているほうが、作成や管理はしやすくなります。

起案と似た意味で使われる言葉

起案と似た意味で使われる言葉に、稟議、決裁、承認などがあります。
それぞれ、以下のような違いがあります。

起案

主に公式文書などの草案を作成することを指します。
組織によっては起案と稟議が同じ意味で使われることもあります。
また、稟議書を作成する人を「起案者」と表現するケースも見られます。

起案

稟議

稟議とは、個人の権限だけでは決められない事柄について組織の上層部に承認を得る手続きのことを指します。
多くの組織では管理職に意思決定の権限がありますが、毎回上層部が集まって会議をすると手間や時間がかかります。
そこで稟議を代わりに行うことで、会議開催の手間を省きながら関係者の意思が確認できます。

決裁

決裁とは、権限を持つ上長が提案された内容について可否を決定することを指します。
稟議のように関係者全員に回覧するというプロセスはありません。

※「決裁」と間違えやすい言葉に「決済」がありますが、お金の支払いによって取引を成立させ、売買契約を終了させることを指し、全く違う行為です。稟議のように回覧するプロセスはなく、権限者に直接承認を得ます。
稟議と決裁

承認

その事柄が正当・事実であることを認めることです。
稟議の内容を認めること、同意することを意味する表現として用いられます。

起案者が行う作業

起案者が行う作業には以下のようなものが挙げられます。

起案文書の作成

起案はまず基礎となる案文の作成から始まります。
起案文書を作成する際には内容や理由、経過などを明らかにします。

承認・回付

起案は速やかに承認・回付します。
停滞することがないように、進捗を確認するようにしましょう。
また回付の際には、文書の優先順位をつけましょう。
回付する文書が多く山積みになってしまっていては、至急の対応が必要な文書がどれか分からなくなってしまいます。
こうした事態を避けるため、至急の文書には付箋を貼って目出たせるなどの工夫が必要です。
文書管理システムを用いる場合は、至急の文書であることを分かりやすいようにしておきましょう。

決裁完了・決裁内容の保存

決裁が完了した文書は、決裁日と最終決裁者の署名捺印もしくは電子証明が付与されます。
さらに決裁が完了した文書は正式な書類として厳重に保存する必要があります。
文書は保存期間があるものも存在します。
内容によって保存しなくてはいけない期間はことなりますが、長いものだと永久保存、短いものだと1~2年とされています。
文書の保存期間は法律によって定められていますので、事前に確認しましょう。

起案の行く末

※監修者コメント

起案文書の中には、一定の保存期間を要する文書もあるため、紙による保存の場合は、保管場所の確保や紛失リスク等のデメリットがあります。文書管理システムはこうしたデメリットを解消する手段として期待できるだけでなく、文書の適切な分類や共有が速やかにできるなどのメリットもあります。

起案者にとって便利な稟議書作成ツール:楽々WorkflowII

起案文書を作る際に便利なのが、ワークフローツール「楽々WorkflowII」です。

「楽々WorkflowII」は日本の商習慣だけでなく、グローバルにも対応した電子承認・電子決裁システムです。
「楽々WorkflowII」は、起案文書を作成する上で便利なさまざまな機能が搭載されていますのでご紹介します。

日本の商習慣あった複雑な承認フローも実現できる

楽々WorkflowIIは「根回し」「合議」など、日本独自の複雑な承認フローにも対応しています。
文書が今どこまで承認されているのか、誰がいつ承認したのかが一目見て分かります。
また文書の種類ごとに承認経路を設定できるため、申請者は一から経路の設定を行う必要がありません。
「文書の種類によって自動で経路を切り替えたい」「複数の人に承認してほしい」「申請者・承認者が不在でも滞りなく進めたい」などさまざまな決裁ルートの設定が可能です。

ワークフローシステムを上手く活用するのが重要

起案は主に公式文書の作成を行います。
企業によっては稟議と同様の意味で使われることもあります。
起案文書をスムーズに承認・回付してもらうにはワークフローシステムをうまく活用するのが重要です。
システムを用いれば誰がいつ文書を閲覧・承認したのかの履歴が残るため、セキュリティ面でも安心です。
ぜひ「楽々WorkflowII」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

ワークフローシステムをうまく活用するのが重要

※監修者コメント

組織内の業務プロセス、特に決裁や承認に関連した業務プロセスにマッチしたワークフローシステムの導入は、関係者のストレスを軽減するだけでなく、業務時間の短縮にも繋がりますので、生産性の向上が期待できます。

監修者プロフィール:
岡晴雄(株式会社オドック 代表取締役 / 組織活性プロデューサー)
大手人材サービス、人事コンサルティング企業勤務を経て、現職。
「幸せを感じながら働ける組織を世界中に増やし続ける」を理念に掲げ、国内だけでなく東南アジアでも、研修・講演、採用支援、人事制度設計等を通じて、組織改革をサポートしている。
人事専門雑誌等への寄稿多数。

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