株式会社東急コミュニティー

株式会社東急コミュニティー

メンテナンス期間の短縮と早期リリースを実現

楽々WorkflowIIでユーザー数8,000名超の大規模ワークフローシステムを構築
アジャイル型のワークフロー作成手法を確立し、メンテナンス期間の短縮と早期リリースを実現

東急不動産ホールディングスグループの一角として、総合不動産管理事業を展開する株式会社東急コミュニティー(以下、東急コミュニティー)は、保守性に乏しく、経路作成や権限変更などが行いづらかったパッケージベースのワークフローシステムを、楽々WorkflowIIにリプレイス。約1年間の計画的な導入プロジェクトを通して、柔軟に保守・運用を手掛けられるワークフローシステムを構築。さらに、導入プロジェクトを通じて、アジャイル型のワークフロー作成手法を確立し、ユーザーの改善要望をスピーディーにシステムに反映できる体制を実現している。

旧来ワークフローシステムの「保守性の低さ」が課題
バージョンアップに伴う不具合も発生し、リプレイスを検討

東急不動産ホールディングスグループに属し、マンション管理、ビル管理、大規模改修工事などの総合不動産管理事業を展開する東急コミュニティー。従業員数8,000名超、2021年3月末時点での管理実績は、マンション管理で約340,000戸、ビル管理で約1,100件と、不動産管理会社として国内有数の規模を誇る。また、2019年には東急コミュニティー技術研修センターNOTIA(ノティア)を稼働開始し、最新技術の実証実験・導入を進めるなど、近年では全社を挙げたDX(デジタルトランスフォーメーション)に注力。DXを通じた省力化・省人化による、次世代管理方式の構築に取り組んでいる。

同社が、旧来のワークフローシステムから楽々WorkflowIIへのリプレイスを検討したのは2017年ごろ。約10年間に亘って利用していた旧来のワークフローシステムは、様々な課題を抱えていた。ワークフローシステムを管理するIT推進部システム統括センターシステムソリューションチームのマネージャー・増田栄和氏は次のように説明する。

「一番の課題は、保守性の低さです。当初は、自社内で保守・運用を一貫して行うつもりでしたが、いざ運用を開始してみると、システムが複雑で社内で対応するのは難しい状況でした。例えば、申請フォームを作成する際には、システムとフォームのデザインを別々に構築しなければならず、1名の担当者で月間2本の申請フォームを作成するのがやっとでした。また、経路を変更する際には、軽微な変更であっても、ベンダーに依頼が必要でした。これでは、開発にかかる期間は長期化し、現場からの改善要望をシステムに反映するのも難しくなります。事実、旧来のワークフローシステムの時代には、現場からの改善要望に対して『対応できません』と回答することが多かったです。システムを担う立場として、忸怩たる思いがありました」(増田氏)。

さらに、リプレイスを決定づけたのが、バージョンアップによる不具合の発生だった。導入から数年後、ワークフローシステムをバージョンアップした際に、システムの構成が変更され、各申請書ごとの保存上限が2,000件になったのだ。数千名の社員数を擁する東急コミュニティーでは、1日に数百件の申請が飛び交うため、申請データはあっという間に2,000件に達する。しかし、保存上限を超えると、システムが不安定化するなどの不具合に見舞われるため、システムソリューションチームのメンバーは日常的なバックアップ作業に追われることとなった。こうした作業は、ワークフローシステムを保守・運用するうえで、大きな妨げとなる。同社にとって、ワークフローシステムのリプレイスは不可避となっていた。

内製化のために保守性に優れた楽々WorkflowIIの導入を決定
計画的な導入プロジェクトにより、早期のリリースを達成

2017年ごろ、システムソリューションチームはワークフローシステムのリプレイスを目指し、各種製品のリサーチを開始した。その結果、楽々WorkflowIIを含む4製品がリストアップされ、比較検討が行われた。4製品のなかから、楽々WorkflowIIが選定された理由について、IT推進部システム統括センターシステムソリューションチームで主幹を務める大竹進之介氏は、「選定の要件として、最も重視したのは、保守性の高さです。従来の課題を払拭するためには、チーム内でシステムの全容を把握し、導入から運用、保守に至るまでを内製化する必要がありました。そこで保守性の高さは欠かせない要素となります。楽々WorkflowIIは、ブラウザのみでシステムの構築が可能なほか、グラフィカルに申請フォームを作成できるなど、保守性の面で他の製品より頭一つ抜きん出ていました」と振り返る。

2018年4月、東急コミュニティーは楽々WorkflowIIへのリプレイスを決定。協力会社のシステムエンジニア1名を含む計5名のプロジェクトチームを組成し、導入プロジェクトをスタートさせた。導入プロジェクトでは、直ちにシステムの導入に取り組むのではなく、旧来のワークフローシステムの分析や、チームメンバーへのハンズオン講習などが先行して実施された。導入プロジェクトをスムーズに推進するため、その前提となる現状分析や教育などに注力した形だ。

この取り組みにより、導入プロジェクトは加速。楽々WorkflowIIは2019年5月にリリースを迎えた。導入期間は約1年間と事前の想定よりも早期のリリースだった。また、リリース後は部門ごとにシステムを展開し、徐々に全社にシステムを定着させていくことで、リプレイスに対する各部門の抵抗や混乱を回避した。リリースから約5ヶ月後の2019年10月、旧来のワークフローシステムで運用されていた105種類の申請書の移管が完了し、導入プロジェクトは無事終了を迎えた。

楽々WorkflowIIの導入により、アジャイル型のワークフロー作成手法が定着
メンテナンス期間は1/2程度に短期され、要求をすばやく反映したサービスの提供を実現

導入プロジェクトに従事した後、楽々WorkflowIIの運用担当となったIT推進部システム統括センターシステムソリューションチームの石井章太氏は、現在の楽々WorkflowIIを「当社に無くてはならないシステムです」と高く評価する。

「リリースから約2年間が経過した現在、楽々WorkflowIIはユーザー数約8,000名、月間平均アクセス数約40,000回、1日平均600~700申請のシステムに成長しています。楽々WorkflowIIは運用がしやすく、各部門の改善要望をすぐにシステムに反映することができます。導入後、申請フォーム数も増え続けています。いまや、当社の業務推進の要となるシステムといっても過言ではありません」(石井氏)。

また、楽々WorkflowIIは、システムソリューションチームの体制強化にも貢献している。今回の導入プロジェクトを通じて、同チームはアジャイル型のワークフロー作成手法を定着させた。例えば、新規の申請フォームを作成する際には、先行して申請フォームのレイアウトを作成し、その後に回付ルートの設定、ユーザーテストといった流れで、ユーザーと確認を重ねながら段階的にメンテナンスを進めている。これにより、ユーザーの要望を細やかに取り入れた申請フォームの作成が可能になったほか、メンテナンス期間の短縮も実現している。以前は、1名の担当者で月間2本の申請フォームの作成が限界だったところ、各部門とのやりとりが発生しても月間4本の申請フォーム作成が可能となるなど、メンテナンス期間は1/2程度に短縮した。

さらに、同社では、楽々WorkflowIIと他システムとの連携も実現している。その一例が、物件管理システムとの連携だ。その概要について、導入プロジェクトに協力会社として携わった株式会社テクノウエアの竹内良氏は説明する。

「東急コミュニティーでは、物件データを管理する物件管理システムを運用しています。以前は、オーナーの変更や改修工事の実施など、物件データに変更があった際には、データの更新申請をワークフローシステムで行い、その後に物件管理システムに更新内容を入力していました。こうした作業を効率化するため、楽々WorkflowIIで行った物件データの更新申請に承認が下りると、自動的に更新内容が物件管理システムに反映されるという連携を行いました。さらに、その後には、物件管理システムのデータも楽々WorkflowIIに反映されるという双方向更新のデータ連携も実現しています」

そのほか、同社は姉妹製品のローコード開発基盤 楽々Framework3を活用し、共通コード管理システムとの双方向更新も行っている。共通コード管理システムは、物件や従業員など、様々なシステムで共通して利用するコードを一元管理するシステム。このシステムと楽々WorkflowIIを連携することで、申請業務とコードデータの更新を一気通貫につなげることにも成功している。

S/4:連携方法
楽々WorkflowIIと共通コード管理システムの双方向更新システムを楽々Framework3で構築

楽々Framework3を活用した他システムとの連携も推進中
強化された保守・運用体制を土台に、さらなるDX推進に取り組む

楽々WorkflowIIをユーザー数8,000名超の巨大なワークフローシステムに成長させた東急コミュニティー。今後は、さらなる効率化を生み出すため、ローコード開発基盤 楽々Framework3を活用した、他システムとの連携をさらに加速させていくという。

最後に、システムソリューションチームの面々に、楽々WorkflowIIの導入を検討している企業へのアドバイスを伺った。石井氏は、楽々WorkflowIIの利点として「アジャイル型のワークフロー作成手法を取り入れやすいこと」を挙げたうえで、以下のメッセージを送った。

「楽々WorkflowIIは、グラフィカルに申請フォームを作成できたり、ノーコードで経路を設定できたりするなど、非常に柔軟です。そのため、これからアジャイル型のワークフロー作成手法を定着させたいと考えている企業には、良い足掛かりになるシステムだと思います。導入のなかで、試行錯誤しながらシステムを育てていくことで、アジャイル型のワークフロー作成手法を実現できます。システム自体が生み出す効果はもちろん、保守・運用の体制強化といった観点からも、楽々WorkflowIIの導入を検討してみてはいかがでしょうか」(石井氏)

楽々WorkflowIIの導入を通じて、東急コミュニティーはアジャイル型のワークフロー作成手法の定着やメンテナンス期間の短期化を達成した。強化された保守・運用体制を土台として、同社はさらなるDXに取り組み、より価値の高い不動産管理を実現していく構えだ。

株式会社東急コミュニティー
IT推進部システム統括センター
システムソリューションチーム
マネージャー
増田 栄和氏
株式会社東急コミュニティー
IT推進部システム統括センター
システムソリューションチーム
主幹
大竹 進之介氏
株式会社東急コミュニティー
IT推進部システム統括センター
システムソリューションチーム
石井 章太氏
株式会社テクノウエア
開発本部
オープンシステム開発部
竹内 良氏
※本事例中に記載の社名や肩書き、数値、固有名詞等は取材時点の情報です。

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