日鉄エンジニアリング株式会社

日鉄エンジニアリング株式会社

ワークフロー作成工数が1/10に短縮

楽々WorkflowIIでワークフローシステムを刷新し
作成工数を従来比の最大1/10に短縮、
決裁業務の迅速化を実現

先進技術で社会の発展に貢献する日鉄エンジニアリング。同社はワークフロー作成工数の削減、属人化からの脱却を目的に、既存のMicrosoft SharePointによるワークフローシステムを楽々WorkflowIIに刷新。GUIによる優れた操作性と豊富な標準機能で、ワークフロー作成の工数を従来比で最大1/10に短縮。ワークフローシステムを利用する業務が拡大することで、業務の効率化、ペーパーレス化を推進し、決裁業務の迅速化を実現した。

既存のMicrosoft SharePointのワークフローシステムを刷新

2006年に新日鉄のエンジニアリング部門を前身として誕生した日鉄エンジニアリング株式会社。同社の企業理念「一歩先をいく技術とアイデアで、お客様に最適なエンジニアリングソリューションを提供し、グローバルな社会・産業の発展に貢献します。」に込められた情熱と責任感は創業以来、変わることなく受け継がれている。世界有数の鉄鋼メーカーである日本製鉄グループの一員として、世界の産業の根幹を支える製鉄プラントをはじめ、持続的社会の実現に貢献する環境ソリューションや海洋・エネルギー、鋼材技術を活かした建築・鋼構造などの事業を展開する。

同社には日本全国に100に及ぶ現場がある。現場における日常業務の効率化やペーパーレス化を図るうえでワークフローシステムの果たす役割は大きい。ICT企画推進部 ICT戦略企画室 マネージャー 宮﨑晴基氏は、同社の3つのワークフローシステムについて次のように紹介する。「1つめが出張申請など一般的な申請を扱う自前で構築したワークフローシステム、2つめが給与に関するBPO(Business Process Outsourcing)先のワークフローシステム、3つめが業務のニーズに応えるMicrosoft SharePointワークフローです。この中で3つ目のMicrosoft SharePointワークフローが、グループ全社の環境統合に伴ったMicrosoft SharePointのバージョンアップのため、そのまま引き継ぐことができない状況でした」(宮﨑氏)。

同社はバージョンアップに対応するためのMicrosoft SharePointワークフローの改修ではなく、刷新を選択した。宮﨑氏は「Microsoft SharePointワークフローはワークフローの作成に専門の知識や技術を必要とするため一部のスタッフしか対応できず、各部門からのニーズに迅速に応えることができませんでした。また複雑なワークフローの作成も困難でした」と振り返る。

低コスト、GUIで簡単に作成できる使いやすさが採用のポイント

同社が最初に着目したのが、住友電工情報システムのWebワークフローシステム「楽々WorkflowII」だった。グループ会社がすでに同製品を導入しており、その評判が良かったからだ。その後、複数社のワークフロー製品を比較検討し、楽々WorkflowIIを採用した。採用理由について宮﨑氏は「予定してなかったワークフローシステムの刷新だったのでまずコストパフォーマンスを重視しました。楽々WorkflowIIは、その点、高評価でした。さらに優れたGUIで、誰でも簡単にワークフローを作成できる点も興味を引きました。専門家に依存せず、属人化しないような運用ができると考えました」と語る。

2016年1月半ばに楽々WorkflowIIの採用を決定。同年3月末には環境を構築し、6月から移行を開始した。ICT企画推進部ICT総括室 鈴木健嗣氏は「既存のワークフローを整理しつつ、楽々WorkflowIIを使って18本のワークフローを作成しました。その中には、社員のアンケート結果に上司が追記しさらに保健師・産業医が最終判断を行うという、やや複雑なワークフローもあったのですが、楽々WorkflowIIを使うことで、従来のMicrosoft SharePointに比べて1/10以下の工数で作成することができました」と話す。また、もし不明点があっても、「メールで問い合わせれば、翌日には必ず回答がもらえました」と鈴木氏は住友電工情報システムのサポート面も評価する。

楽々WorkflowIIの直感的に使える優れた操作性により、2人の担当者だけで2016年8月末の移行期限を守ることができた。

申請内容に応じて画面を切り替える制御画面
申請内容に応じて画面を切り替える制御と、他システムからの情報取得を取り入れた機器貸与申請により、ユーザーの利便性教条をはかる

決裁業務の迅速化を実現、働き方改革にも貢献

現在、楽々WorkflowIIのユーザー数は4,000名、稼働中のワークフローは42業務と半年で倍増している。従来は新規ワークフローの作成に時間を要していたが、今はすぐに作成できることから、さまざまな業務で電子承認・電子決裁が進んでいる。「これまで社内の稟議における決裁は紙で行われていましたが、今では決裁文書を持って歩く社員の姿を見かけなくなりました。電子的に申請し進捗も自席で確認できます」と宮﨑氏は話し、さらに続ける。

「決裁業務は確実にスピードアップしています。従来、紙の決裁書類が机の上に山積みになっている状態では、承認が後回しになりがちでした。今は、承認者に決裁してくださいというメールがきて、メール内のリンクをクリックするとワークフローが立ち上がります。もし忘れてしまっても督促のメールがきます。また承認者は外出先からスマートフォンで承認することも可能です。ペーパーレス化とともに働き方改革の観点でも大きく貢献しています」(宮﨑氏)

フロー設定の漏れを防止した決裁ワークフロー
決裁内容を選択することで、自動的に必要な承認経路をセットし、フロー設定の漏れを防止した決裁ワークフロー

ワークフローの作成は、社内のペーパーレス化を推進する総務部からの依頼が多いという。「総務部からは外部講師講演会や社内イベントなど全社に向けてのメッセージが中心です。従来、メールによるメッセージ送信では大量のメールの返信を担当者が受けていましたが、今はワークフローシステムからMicrosoft Excelにエクスポートして一覧で管理できるためとても便利です」と鈴木氏は解説する。

業務の固有ニーズに応える複雑なワークフローの作成が可能

楽々WorkflowIIは、各部署固有の業務のニーズに応える複雑なワークフローの作成にも対応できる。例えば、工事に関する包括保険契約の申し込みでは、担当者が請負金額、工事期間などを入れると工事の保険料が自動計算され、その状態で上司の確認へ移行、さらに保険契約部門のチェックへとワークフローが流れていく。追加の工事が発生したり工事期間に変更があったりすると保険契約の見直しが発生し、見直しによって追加された契約書との紐づけなども必要となる。鈴木氏は、「この『工事に関する保険の申し込み』のように、複雑な条件分岐を含むものでも、プラグイン開発オプションを利用すれば、Javaコーディングで対応することができます。もしわからない箇所があっても、オンサイトサポートで丁寧に教えていただけますので、自分の想定したワークフローの動きを実現できます」と笑みを浮かべる。

今後の展望について宮﨑氏は「現場の人たちの使いやすさを追求し、ペーパーレス化を加速していくことは重要なテーマです。最近では紙の申請をワークフロー化してほしいという要望が現場から多数寄せられていますので、まずはそれにできるだけ対応していきます。同時に、冒頭にお話しした自前で構築したワークフローシステムについても楽々WorkflowIIに統合していくことも検討していきます」と力強く語った。

包括保険申し込み申請フロー
入力された工事の規模に応じて、保険料を自動計算する機能を実装した、包括保険申し込み申請フロー
宮﨑氏
日鉄エンジニアリング株式会社
ICT企画推進部
ICT戦略企画室
(ICTソリューション室 兼務)
マネージャー
宮﨑 晴基 氏
鈴木氏
日鉄エンジニアリング株式会社
ICT企画推進部
ICT総括室
鈴木 健嗣 氏
※本事例中に記載の社名や肩書き、数値、固有名詞等は取材時点の情報です。

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