日新化工

日新化工株式会社

楽々WorkflowII Cloudを起点とするDXプロジェクトで
組織文化を変革
システム間連携の強化とAI活用を構想し、
「デジタルが当たり前」の風土を醸成

1948年に設立し、約80年間にわたって業務用「NKチョコレート」を製造・販売している日新化工株式会社(以下、日新化工)。同社は、長年定着していたアナログな業務環境の変革を目指し、DXプロジェクトを開始した。その第一弾として楽々WorkflowII Cloudを導入し、社内業務で利用されていた紙の帳票のペーパーレス化に取り組んだ。この際、同社は申請業務のデジタル化に加え、Webhookを活用したシステム間連携も強化。全社で40%の用紙削減を実現したほか、申請業務やそれに関連する一連の作業工程を自動化し、アナログな組織文化の変革を推し進めた。この取り組みは、その後のDXを加速させる原動力となっている。

新組織「DX推進室」を設置し、DXプロジェクトを始動
「紙の削減」に狙いを定め、ワークフローシステムの導入を決定

業務用チョコレートを製造・販売する日新化工が設立されたのは1948年。設立当時は石けんなどの油脂製品を製造していた同社だが、マーガリン製造のノウハウをチョコレート製造に転用し、現在も続く看板商品である「NKチョコレート」を生み出した。NKチョコレートは1956年の発売開始以来、全国の洋菓子やパン製造の事業者に重宝され、戦後日本の豊かな食文化を支えてきた。

さらに、近年では既存事業の革新にも挑む。きっかけはコロナ禍だった。緊急事態宣言の発令などに伴い事業が停滞するなかで、既存の枠を超えた事業構想に取り組み、ECサイトによるBtoCビジネスの展開やアレルゲンフリーチョコレートなどの新商品開発を実現した。

長年の歴史とノウハウを土台にしつつ、革新的な取り組みにも余念がない日新化工。その姿勢はデジタルの領域でも一貫している。同社は2023年に新組織「DX推進室」を発足。組織変革を目標にした全社一体のDXプロジェクトをスタートした。その第一弾として着手したのが楽々WorkflowII Cloudの導入だった。同社はなぜ楽々WorkflowII CloudをDXプロジェクトの起点に選んだのか。その経緯を経営企画部 デジタルトランスフォーメーション推進室 室長の松本琢磨氏は説明する。

「当社はプロパー社員の多い会社であるため、熟練の技術やノウハウを多数保有しており、事業上の優位性にもなっています。しかし、その一方で、アナログな組織文化が根強く、社内業務の多くが紙の帳票で運用されていました。これでは当社の強みである技術やノウハウが属人化してしまい、有効活用できません。こうした背景からDXプロジェクトが立ち上げられましたが、情報共有やデータ活用を推進するには、何よりもまずペーパーレス化を進める必要がありました。そこで紙の帳票が多く利用されている申請業務に狙いを定め、ワークフローシステムを導入することにしました」(松本氏)。

当時、日新化工は申請業務のほぼすべてを紙の申請書で実施しており、年間の申請数は数万件に及んでいた。さらに、千葉県の船橋や東金に工場を有するほか、札幌や名古屋にも営業所を展開しているため、紙の帳票を回付するために社内便を運用しなければならなかった。こうした運用は、生産性向上を妨げることはもちろん、アナログな組織文化を温存し、DXを妨げる要因にもなっていた。そこで、日新化工はワークフローシステムの導入に着手した。

「システムの柔軟性」と「連携性の高さ」を高く評価
各拠点が主導となり、約1年で全社展開へ

楽々WorkflowII Cloudが選定された背景には、DXプロジェクトのリード役を務めた松本氏の意向が大きく影響していた。日新化工では数少ないキャリア入社の松本氏は、前職のIT部門での勤務時代にオンプレミス版の楽々WorkflowIIを利用した経験があった。その際に「日本の商習慣に合った機能」と「連携性の高さ」を高く評価していたという。

歴史の長い日新化工には、長年培われてきた独自の組織文化や商習慣が深く根付いている。楽々WorkflowII Cloudは、回付ルートの自動選択や複雑な条件分岐、代理承認といった、日本企業の細やかな運用に寄り添う柔軟な機能を備えている。既存の業務フローを損なうことなくシステムへ落とし込めたことで、速やかな社内定着の後押しとなった。また、最終的な目標が「DXの実現」であったことから、単に申請業務をデジタル化するだけでなく、申請に関連する一連の作業工程を自動化するために、WebhookやWeb APIによる連携機能が欠かせなかった。

こうして楽々WorkflowII Cloudを選定した日新化工はプロジェクトチームを組成し、導入作業に着手した。具体的には、本社、船橋、東金の各拠点に導入リーダーを配置し、さらにその配下に導入担当者を1~3名ほど指名。各拠点や各部門が主導して導入を進めることで、現場のユーザが利用しやすいシステムを目指した。また、システムの構築に並行して、これまで社内で利用されていた紙の申請書をリストアップして統廃合を行うことで、業務のスリム化や導入作業の効率化を図った。

この際には、普段、ITに馴染みの薄い社員もプロジェクトに参加した。導入担当者として参画したエイコウ製菓株式会社製造部の長谷部礼広氏は「私は工場での商品製造が担当業務なので、システムの導入は初めての経験でした」と話す。

「私は個人用のPCも割り当てられていないので、普段、システムに触れる機会も少ないです。そのため、当初は不安もあったのですが、承認ルートの設定や申請書の修正など、基本的な操作を繰り返していくうちにすぐ慣れました。また、プロジェクトチームのメンバーが多く、相談できる同僚が多かったのも幸運でした。同時期に似た作業に取り組んでいる同僚が社内に複数いるので、そのメンバーに質問をすれば、ほとんどの疑問は解決できました」(長谷部氏)。

各拠点や各部門のシステム構築は功を奏し、日新化工の導入プロジェクトは着実に進行していった。その結果、導入開始から約1年で楽々WorkflowII Cloudの全社導入を実現した。

年間14,000件の申請業務をデジタル化し、
用紙購入量を40%削減
AI連携も視野にWebhookを活用して、
申請業務の前後工程の業務効率化も実現

現在、日新化工では全社で楽々WorkflowII Cloudを利用しており、年間の申請数の約7割にあたる約14,000件がデジタル化されている。申請書の種類も、以前は600種類以上存在していた紙の帳票を統廃合し、現在は約100種類に集約されている。

これによる効果は明らかだ。導入後の変化について、開発部研究開発課係長の髙橋暖氏は次のように語る。

「導入後に最も顕著なのはペーパーレス化です。当社は導入前まで年間130箱以上の用紙を購入していましたが、現在では購入量が40%削減されています。社内からは目に見えて紙の帳票が減り、持ち回りによる回付や遠隔拠点からの郵送の手間はほぼゼロになりました。また、こうした変化により働き方もスマートになり、本社のオフィスはフリーアドレス制を導入できました」(髙橋氏)。

さらに、注目すべきはシステム間連携だ。日新化工はWebhookやWeb APIによる連携で申請業務の前後工程の効率化を実現している。その一つが「特注品製造依頼」だ。これは、顧客から受注を受けた営業担当者が製造部門に対して起案する申請書で、製造する商品の量や加工方法などが記載されている。

特注品製造依頼の申請フォーム。従来、紙の帳票で運用していたが楽々WorkflowII Cloudでデジタル化された。Webhookを活用して、製造部門の管理業務と連携している。

従来、特注品製造依頼の承認後、製造部門は自部門で管理するExcelの管理表に申請内容を転記していたが、この作業がシステム間連携で自動化された。具体的には、楽々WorkflowII CloudのWebhookを通じて承認後のデータをMicrosoft 365のPower Automateに連携してExcelに自動転記。その後、Teamsに転記完了が通知される。さらに、現在は同管理表に蓄積されたデータをCopilot StudioのAI機能で要約し、二次利用する仕組みの整備も進められている。

楽々WorkflowII CloudからWebhookを通じて承認後のデータがPower Automateに連携され、Excelへ自動転記される。さらにCopilot StudioのAI機能による要約・二次利用も見据えている。

日新化工は、こうしたシステム間連携を他の業務でも実現し、申請業務の前後工程にわたる省力化を進めている。また、外部システムのWeb APIを使用したデータ連携も実現している。楽々WorkflowII Cloudには、文書項目にある参照ボタンで入力するデータをポップアップ上で選択できる機能がある。これを利用し、楽々WorkflowII Cloudサーバから基幹システムのマスターデータを取得するWeb APIを実行し、ポップアップに表示。さらに申請書フォームへ反映することで入力作業の効率化を図っている。

システム導入にとどまらないDX施策を推進
楽々WorkflowII Cloudの導入が組織変革の推進力に

今回の導入を振り返り、松本氏は「DXに向けた土台が築けました」と手応えを語る。

「最大の収穫は社内で『デジタルが当たり前』という意識が醸成されたことです。すべての部門が日常的に楽々WorkflowII Cloudを利用することで、紙を用いた業務や手入力による転記作業は非効率であるという認識が広がりました。これは今後、DXをさらに進めるうえで心強い変化です。現在、システム導入以外にも、工場へのデジタルサイネージの導入や生成AIによるヘルプデスク業務の自動化など、さまざまなDX施策に取り組んでいますが、楽々WorkflowII Cloudの導入が推進力になっているのは間違いありません。DXプロジェクトの第一弾として、最適なシステムであったと確信しています」(松本氏)。

創業以来約80年にわたって培った技術とノウハウを土台に、デジタルの力でさらなる進化を遂げようとしている日新化工。「デジタルが当たり前」という意識が全社に根付いた今、同社のDXはまだ始まったばかりだ。その力強い第一歩を支えたのが、楽々WorkflowII Cloudの導入だった。

(左から)
日新化工株式会社 開発部 研究開発課
係長 髙橋 暖 氏
エイコウ製菓株式会社 製造部
長谷部 礼広 氏
日新化工株式会社 経営企画部
デジタルトランスフォーメーション推進室
室長 松本 琢磨 氏
日新化工株式会社様のホームページ
  • 本事例中に記載の組織名や肩書き、数値、固有名詞等は取材時点(2026年2月)の情報です。

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