株式会社MCJ
グループ13社のワークフロー基盤を
短期間で統合
目次
グループ13社のワークフロー基盤を短期間で統合
楽々WorkflowIIによる業務改善・効率化を推進
PC関連事業や総合エンターテインメント事業を展開するMCJグループの統括・運営を担う株式会社MCJでは、業務の改善・効率化を目指してワークフローシステムの見直しを実施。楽々WorkflowIIの導入により、従来利用していたワークフローシステムにはなかったさまざまな機能を活用して業務改善、効率化を進めている。
業務の改善、効率化を目指して
自社開発ワークフローシステムの刷新を決定
株式会社MCJ は、マウスコンピューターやユニットコムで知られるPC 関連事業や総合エンターテインメント事業を展開するMCJグループを統括するホールディングス企業だ。MCJグループでは、PCパーツやソフトウェアなどの仕入れ・調達から開発・製造、ユーザーへの提供・サポートまで一気通貫のバリューチェーンを構築し、顧客のニーズに応えている。
MCJグループの情報システムを統括している株式会社MCJシステム開発室主任の青柳佳行氏は、「MCJグループ13社では現在、セキュリティ強化の取り組みを進めており、さらにその先ではインフラ基盤の統合を目指しています。今回のワークフローシステムの見直しもその一環になります」と話す。MCJグループ各社は現状、異なるインフラ基盤を構築、運用しており、情報システム部門もそれぞれに配置されている。
今回見直し対象となったワークフローシステムは13年ほど前に自社開発で構築し、その後改修しながらグループ各社で利用してきた。13年間利用するうちに多くの課題も生まれていた。青柳氏は「差し戻しや条件分岐、権限設定などワークフローシステムとして足りない機能があること、システム老朽化により改修に時間が掛かってしまうこと、各社がそれぞれで作った同じ目的のワークフローが乱立していることなど、いろいろ問題がでてきていました」と指摘する。さらに、経費精算の効率化も以前から課題となっていたことから、ワークフローシステムを刷新することを決めたという。
新たなワークフローシステムに
「楽々WorkflowII」を採用
800種類のワークフローを3か月で移行
ワークフローシステムの見直しを決め、複数のベンダーから情報を収集、検討を行った。選定においては、承認経路を複数設定できる、条件分岐が設定できる、権限の設定や変更ができるなど、ワークフローとしての機能を重視した。
検討の結果、採用したのが住友電工情報システムの「楽々WorkflowII」だ。楽々WorkflowIIは、本格的なワークフローも簡単・スピーディに実現し、グローバルにも対応した電子承認・電子決裁システム。採用の理由を青柳氏は次のように話す。
「採用理由は、ワークフローシステムとして必要な機能をすべて網羅している点と、導入サポートに対する期待感です。検討段階で、住友電工情報システムは私たちとコミュニケーションをスムーズにとっていただいていたので、導入の際も手厚いサポートが期待できると感じました」(青柳氏)。採用前には、住友電工情報システムが主催する「楽々イノベーション・フォーラム」に訪れ、実際に導入しているユーザーの声を直接聞いたという。
その他にも楽々WorkflowIIを選んだポイントとして、外部システムとの連携が容易なこと、ライセンスが利用ユーザー数ではなくCPUライセンスのため将来的に会社が増えても対応しやすいことなどを青柳氏は挙げた。
2018年7月に楽々WorkflowIIの導入を決定、本番稼働を2019年4月と定めた。対象となるワークフローは、グループトータルで約800種類。法務から総務、人事、経理、営業、技術系など、申請、決裁に関わるあらゆるワークフローで、グループ各社が70~150のワークフローを利用していた。これらのワークフローを短期間で楽々WorkflowIIに乗せる必要があった。
「従来のワークフローシステムに乗せていたすべてのワークフローを楽々WorkflowIIへそのまま移行しました。インポート機能を活用することで、実質3ヶ月ほどで移行は完了しました。本来であればフローやフォームの見直し、統合などを行った上で移行したかったのですが、カットオーバーの時期も決まっていましたので、ひとまず移行した上で、利用しながら改修、統合を行っていくこととしました」と青柳氏は話す。
その間にシステム開発室ではグループ各社への説明を進め、住友電工情報システムによるWorkflowIIの講習会も2回実施。グループ会社の情報システム担当や総務担当、役員が受講した。「講習会のおかげでスキルの底上げができ、スムーズな導入につなげることができました」と青柳氏は評価する。
予定通り2019年4月には楽々WorkflowIIが本番稼働した。利用するのはグループ13社で約1600ユーザー。「導入当初は問い合わせも多く、社内の掲示板に問い合わせ窓口を作ったり、ワークフローのホーム画面にPDF版のマニュアルを配置したりして対応しました。その後も、住友電工情報システムのオンサイトサービスを活用して質問会を2回開催しています」と青柳氏は振り返る。
移行したワークフローの改修・統合
RPAとの連携によるさらなるプロセスの効率化
MCJグループでは現在、楽々WorkflowIIを利用しながらフォームやフローの改修・統合を進めている。グループ各社によって進行度はそれぞれだが、すでに経費精算申請ワークフローの統合や、煩雑だった交通費精算の効率化など、楽々WorkflowII導入の効果は現れている。
青柳氏は、「現在はまだ準備が整った段階ですが、楽々WorkflowIIは機能が非常に充実しています。従来のワークフローシステムにはなかった差し戻しの機能により再申請が少なくなる、自動経路選択や条件分岐によりユーザーが決裁ルートを調べる手間が減るなど、効率化は少しずつ進んでいますし、今後の改善・改修によりさらなる効率化を目指していけると思います」と期待を寄せる。また、改修・統合作業についても、「操作がわかりやすいので、申請フォームの作成や設定もしやすいです。楽々WorkflowIIには管理するデータをエクスポート・インポートする機能がありますので、検証環境から本番環境への移行も容易です」と語る。
加えて、RPA(Robotic Process Automation)との連携も始まっている。例えば、件数の非常に多い経費精算申請のプロセスにあるCSVによる抽出やそのデータを会計処理に回すという一連のルーティン処理をRPAで自動化している。こうしたRPA との連携をさらに強化していくことでより一層の効率化を図っていく構えだ。
ワークフローで業務改善を目指すMCJグループではこれからもワークフローの改修や統合を進めていく。「まだ活用しきれていない機能がありますので、ユーザーの声を聞きつつ改善していきます。ワークフローの数も2/3くらいには統合したいですし、RPAの活用をもっと進めてインフラ部門での運用などにも適用することで、さらなる効率化を進めていきたいと思います」と青柳氏は今後の展望を語った。