富士エレクトロニクス株式会社

コネクシオ株式会社

製品決定から短期間で130帳票をサービスイン

コネクシオ株式会社

全ての社内申請書類をワークフローシステムにより電子化。
自社で構築・運用が容易な楽々WorkflowIIを導入、
130種類の帳票を短期で 全社サービスイン。
「社内情報共有ツール」としても有効活用。

携帯電話の卸売・販売及び携帯電話を利用したソリューションサービスの提供を行うコネクシオ株式会社は、1997年の設立以来、モバイル・マーケットの発展と共に成長してきた。2008年4月J-SOX法の施行に向け内部統制対策として、ワークフローシステム導入の方針を決定した。多数の候補から選択したのは、住友電工情報システムの楽々WorkflowIIであった。製品を導入してからわずか5ヶ月でサービスイン。社内全ての申請書類を電子化を行った。システム稼動後は、申請・承認業務の効率化だけでなく、社内情報共有のためのツールとしてもワークフローシステムが認識されている。

上場企業として内部統制への取組み

街中でよく見かけるdocomoショップ、auショップ、Softbankショップ。これらの携帯電話のショップ事業運営は、コネクシオの主力事業の一つである。また、大手家電量販店での携帯電話販売や、法人向けの携帯電話販売なども行っている。同社は、1997年の会社創立以来、携帯電話市場の発展とともに成長してきた。
2009年のJ-SOX法への対応検討に取組み始めたのは2007年。上場企業として、決算に携わる業務が正しい経路を経て、正しい処理が行われているかの証跡を残すことが求められるようになった。これらの内部統制を行うためには、全社規模でのワークフローシステム導入により、申請書類の承認証跡管理を行うという方針が決定した。

図1.導入スケジュール

詳細な製品選定プロセスにより、ワークフローシステムを定量的に選定、自社で構築・運用が可能な楽々WorkflowIIの導入を決定

ワークフローシステムとよばれるソフトウェアは多数存在する。その中で、どのように製品を絞り込んでいくか。
同社では、各社ワークフローシステムの比較表を作成、その後、システムに必要な機能を整理し、詳細な判断基準の作成を行った。その判断基準を元に、定量的な評価を実施した。その結果、製品は住友電工情報システムの楽々WorkflowIIを含む4製品に絞り込まれたという。

「ソフトウェアのベンダーさんの売り言葉に誘導されないように、自社で製品選定を行うというスタイルにしました。カタログを取り寄せたり、ベンダーさんに製品特長等を問合せたりして比較表を作成しました。」と、情報システム部 部長 高木 健一氏は語る。

絞り込んだ4製品に対して、導入スケジュール、見積金額を含めた提案依頼を行った。 同時に、製品の評価基準を「プロジェクト管理要件」「システム構築要件」「価格要件」の3つに分類、さらに詳細な評価項目を点数化し、100点満点でそれぞれの製品を採点することにした。

情報システム部 部長
高木 健一 氏

4製品それぞれのベンダーからの提案の中で、住友電工情報システムの提案は他社と異なっていた。「提案依頼では、自社での構築ではなく、ベンダーの開発要員に任せる「請負」という形でした。にもかかわらず、住友電工情報システムからの提案は、自社で全て構築という形でした。当初は自社で構築は全く考えておりませんでしたが、提案を聞いているうちに、楽々WorkflowIIを使えば全て自社内で構築も可能なのだ、と考え方が変わりました。」と高木氏は提案時当初を語る。結果的には、「自社で構築」を提案した楽々WorkflowIIが、価格要件で他製品を圧倒、承認・権限機能、フロー制御、システム機能でも他製品より高い得点を得て、一番高い総合得点となり、採用されることとなったのである。

製品決定から、短期間で130帳票をサービスイン。
その成功要因とは?

楽々WorkflowIIの導入の決定は、2007年8月。決定からわずか5ヶ月後の2008年1月にワークフローシステムのサービスインを実施した。 2ヶ月後の3月には、全ての社内申請書類130帳票をワークフローシステムで本番稼動させた。これほどまでの短期導入を成功に導いたのは、綿密な導入プロセス、楽々WorkflowIIの操作性や融通性の高さが挙げられる。

導入までのプロセスでは、申請書の洗い出しを実施した。類似申請書や低頻度申請の統廃合を行い、193種類あった申請書を130まで絞り込んだ。また、申請書類の電子化を最優先とし、必要な機能のみの絞り込みを行った。例えば、他システムとの自動連携機能の除外。サービスイン後の柔軟性を考慮し、各申請書フォームの作成は、情報システム部で実施。フォーム作成のスピードアップのため、HTML埋め込み/マクロ使用の禁止。また、複雑と思われる10種類の申請書を先行サービスインし課題抽出や利用者習熟期間を設けた。

「短期導入が実現できた要因の一つに、ユーザ部門に深い理解を得られたことがあります。当初は、申請書を紙書類と同じ見栄えに作ってほしい、Excelのような入力フォームにしてほしい、等の要望がありました。今回のワークフローシステム導入に何を求めるか。あくまでも電子承認のしくみであって、紙と同じものをつくる、という目的ではありませんでした。効率的に承認するために導入するのだ、という説明をユーザ部門に何度も繰り返し説明した結果、理解してもらえました。」と高木氏は同時に振り返る。

また、楽々WorkflowIIの操作性や融通性の高さにより、130帳票の作成をわずか2ヶ月間で完了することができた。

「楽々WorkflowIIは、画面表示項目の設定や経路設定、文書フォルダの設定など、シンプルな操作で作成できるものでした。130帳票の作成は3名で行ったのですが、3名がそれぞれ他の業務と並行という状態で、わずか2ヶ月間で完了することができました。」と情報システム部情報システム一課 主任 黒崎氏は説明する。

さらに、人事異動が多い年度初めであっても申請書が滞りなくフローに沿って流れるように、「2週間ルール」を設定したという。楽々WorkflowIIの「引継ぎ機能」により引継ぎ期間を事前設定し、人事異動の発令の前後2週間は、旧所属長と新所属長、どちらでも承認・決裁できるというものである。

情報システム部
情報システム1課 主任
黒崎 健宗 氏

このように、楽々WorkflowIIの機能や特長を最大限に生かす、綿密な導入プロセスや運用ルールにより、利用部門、システム部門の効率化を実現しているのである。

図2.「交換留学実施報告書」の画面

「社内情報共有ツール」としても、ワークフローシステムを活用

ワークフローシステムが稼動して3年半が経過。システムのユーザ数は3,500名、申請回数は、本稼動してから15万回となった。文書数、申請回数が増えても、特にシステムのパフォーマンスは落ちないという。

また、社内の利用部門でも、ワークフローシステムによる申請・承認が、他部署間での情報共有するためにも有効であるという認識が高まっているという。

ユニークな例では、「交換留学実施報告書」という申請書がある。留学報告書といっても、海外留学ではなく、携帯ショップのスタッフが教育のため、他の携帯ショップに「留学」する時に報告する報告書である。

「二つの携帯ショップで情報を共有するには、メールで複数人に情報を送るより、ワークフローシステムで申請・承認した方が、進捗情報も確認でき、両ショップの店長を含めた情報共有に必要な人に漏れなく情報を送ることができます。承認された報告書もワークフローシステム内で確認することもできます。また、閲覧権限を制限し、関係者のみが情報共有できるような設定にしています。これは、他部署間での情報共有にワークフローシステムを使用したいというユーザ部門からの要望が実現したものです。」と情報システム部情報システム一課 課長山田氏は説明する。

情報システム部
情報システム1課 課長
山田 伸ニ 氏

この「交換留学実施報告書」の申請件数は、200回。実に、のべ200名の社員の情報がこの申請書により情報共有されたことになる。

システム稼動当初は130種類であった申請書も、3年半が経過し、201種類となった。同社では、ワークフローシステムの全社的な統括管理の見地から、申請書の帳票作成はユーザ部門に任せず、情報システム部が担当している。ユーザ部門からの新規申請書の作成依頼が増えると、情報システム部の負担が増えることにはならないだろうか?答えはノーである。今では、1帳票を作成する時間は、1フォーム1経路では10分未満だという。新規申請書を作成するにあたり、ユーザ部門と情報システム部が行う打合せも、約20分。実に効率化されている。

今後も、申請書の数の増加はこれからも続くという。ワークフローシステムが業務効率化や社内情報共有に貢献する割合が今後も増えていくだろう。

取材 2011年7月

※本事例中に記載の社名や肩書き、数値、固有名詞等は取材時点の情報です。

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