株式会社エネゲート
基幹システムや会計システム連携を自社開発
目次
楽々WorkflowIIを活用して業務改善
承認の迅速化や業務効率向上を実現
関西圏を中心に電力関連製品を幅広く展開する株式会社エネゲートでは、楽々WorkflowIIを活用した業務改善を進めている。稟議ワークフローの電子化からスタートし、基幹システム、会計システムとの連携も行い、承認の迅速化や業務効率の向上を実現した。
さまざまなワークフローの課題を解決するために
楽々WorkflowIIを導入、購買・会計システムと連携
株式会社エネゲートは、電力量計や受変電設備、モールド変圧器などの機器開発・設計・製造・販売からメンテナンスに至るまで、一貫したトータルソリューションサービスを関西圏中心に提供している。関西電力グループ、大崎電気グループの二つのグループに属しており、両グループの強みを生かしたコラボレーションを進めている。
エネゲートでは、紙の回覧による従来の稟議書のワークフローを電子化するため2012年、楽々WorkflowIIを導入。この導入の成功を受け、2015年にはStep2として基幹システム(購買システム)との連携を、さらに2016年にはStep3として会計システム(旅費精算)との連携を実施した。
承認・決裁の迅速化をはかるために、稟議ワークフローを電子化
エネゲートでは従来、稟議書が紙で回覧されていたことによりさまざまな課題が生じていた。その一つが回覧に要する時間の問題だ。承認者が不在の際には回覧が止まってしまうし、書類の山に紛れてしまうといったこともある。
エネゲートは大阪の本社を中心に工場や事業所など拠点が分散している。そのため、回覧には社内便を利用するが時間がかかる。書類に不備があればまた最初から回覧しなくてはならず、効率的とは言えない状況であった。時間がかかるとともに、どこで稟議書が止まってしまっているのか分からないことも問題だった。その他にも、保管コストや、フォーマットの種類が多すぎることなどさまざまな課題があり、それら課題を解決するワークフローシステムを求めていた。
新たなシステムに求めた選定条件は、まず柔軟な承認フロー設定ができることだ。並列で回覧できたり、経路を途中で設定変更できたり、多数決承認が可能などといった柔軟性が求められた。加えて、分かりやすいユーザーインターフェースであることやカスタマイズが可能なこと、社外からでも承認・決裁が可能なこと、サポートが充実していること、低いランニングコストなども選定条件として挙げられた。
複数の製品を検討し、採用されたのが楽々WorkflowIIである。選定条件ごとに採点を行い、楽々WorkflowIIはとくに承認フロー設定の自由度、及び拡張性が高いことが採用の決め手となった。
2012年4月から業務の見直しをスタートし、2013年1月から3月まで間接部門を中心に検証を行い、4月から本番運用を開始した。
楽々WorkflowIIの導入による効果としてもっとも大きいのは承認・決裁の見える化、迅速化である。ワークフローの見える化を実現するとともに、最大2週間、平均4、5日かかっていた稟議が、2、3日あれば確実に回るようになり、速いものであれば1時間かからずに完了するようになった。これは、社内ネットワークへセキュアにアクセスできる仕組みと連携して、社外からでもスマートフォンやノートパソコンなどから楽々WorkflowIIで承認ができるようにしたことが大きな要因だ。また、楽々WorkflowIIの督促メール通知機能を使うことで放置が減ったことも迅速化に寄与している。
その他にも、入力が簡単になったこと、書類の持ち回りが不要になったこと、電子化によるペーパーレスなど、さまざまな効果を実現している。
基幹システム、会計システムとの連携を自社開発
ワークフローの統合、業務効率の向上を実現
稟議ワークフローの電子化成功を受け、2015年にはStep2として基幹システム(購買システム)と楽々WorkflowIIの連携を実施した。
エネゲートでは従来、購買業務のワークフローシステムが複数に分散していたため、ユーザーと承認者が状況に応じてさまざまなシステムにアクセスする必要があり非常に手間がかかっていた。また、納期変更業務や図面等のやりとりは手作業で行っていた。そこで、購買システムの更新時期を迎えていたこともあって検討を行った結果、購買業務のワークフローを楽々WorkflowIIに移行・集約することを決めた。
表計算ソフト等で管理していた納期変更や請書の機能、購買業務とは別でやり取りしていた図面等の送信機能をシステムに搭載し、各部署の要望を整理して、購買業務の新フォーマットを作成。承認経路を楽々WorkflowIIに統合した。
これにより、ユーザーと承認者の作業を、全て楽々WorkflowIIに集約することができ、複数のシステムへいちいちアクセスする必要はなくなった。購買システムとの連携の効果としては、購買業務の標準化が最初に挙げられる。標準化によりシステム外の手作業を削減でき、業務効率も向上した。図面等のやり取りについてもシステムで処理するようにしたことで簡略化している。さらには今回楽々WorkflowIIと連携したことで購買システム自体を買い換える必要がなくなったため、刷新のコストも削減できた。
Step3では会計システム(旅費精算)との連携が実施された。従来エネゲートでは、出張・旅費の申請が各部署異なるフォーマットで運用されていた。精算自体は会計システムでできるようになっていたが、使い勝手が悪く不便との声もユーザーから上がっていた。
そこで、出張申請、旅費申請を全て楽々WorkflowIIに集約することとした。振り込み予定日のメール通知機能の追加、フォーマットの統一、承認経路の見直しなども同時に実施することで、一連の流れで処理が完了するワークフローを構築した。
Step4でさらなる利用拡大を計画、
各部門へのノウハウ拡大、他システムとの連携も視野に
ここまで、稟議ワークフローの電子化から始まり、基幹システム(購買システム)や会計システムとの連携を行ってきたエネゲート。ユーザーの評価も高いとのことで、“使いやすくなった”、“承認が早くなって非常に助かる”、“持ち回る必要がなくなった”、といった声も届いている。
エネゲートでは今後、Step4として、さらなる利用拡大を計画している。まずは部門へのノウハウ展開だ。全社で使用する申請書や報告書はすでに電子化したが、部内で使用する定型の承認関係については、ノウハウを展開し、部内で帳票を作成できるよう取り組みを始めている。もう一つがシステムの連携拡大で、購買や旅費精算だけでなくそれ以外の販売管理や生産管理のワークフローについても楽々WorkflowIIに集約する方向で検討している。
経営企画室
情報システムグループ
アシスタントマネージャー
舩岡 篤史 氏
経営企画室
情報システムグループ
宮原 良一 氏