大日本印刷株式会社

大日本印刷株式会社

1700以上の業務を集約し、グループ共通の業務基盤を構築

「オールDNP」で楽々WorkflowIIを導入
1700以上の業務を集約し、グループ共通の業務基盤を構築

独自の「印刷と情報」の強みを掛け合わせて国内外で幅広い事業を展開する大日本印刷株式会社(以下、DNP)は、働き方改革やコロナ禍によるリモートワークへの移行を促進するため楽々WorkflowIIを導入した。同社は全社横断でプロジェクトを立ち上げ、「オールDNP」の体制で楽々WorkflowIIの導入を進め、約1年間という短期間で運用開始に至った。現在、楽々WorkflowIIはグループ会社を含めた全社共通業務、部門業務に展開され、1,700以上の業務が同システム上で運用されるなど、グループ全体の業務を支える基盤となっている。

事業部ごとに業務を管理する「縦型」の体制が課題に
システム導入により「横串」の業務基盤構築を目指す

1876年に創業し、総合印刷会社として多様な事業分野を展開してきたDNP。グループの連結売上高は1兆4,248億円、従業員数は約37,000名を数える(売上高、従業員数共に2024年3月31日現在)。北米、アジア、欧州の34都市にも拠点を展開し、事業の裾野は世界中に広がっている。

同社の特徴は新たな価値を生み出し続けるその姿勢にある。現在では、「スマートコミュニケーション部門」「ライフ&ヘルスケア部門」「エレクトロニクス部門」の3つの事業セグメントを展開している。新たな事業の創出にも積極的であり、社外の多くのパートナーとの連携やM&Aなどを推進している。

「人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する」という企業理念のとおり、常に組織を変革しながら新たな価値を生み続けているDNP。しかし、その意欲的な姿勢が課題になることもある。その一つが組織再編だ。これまでDNPグループは、新規事業の創出や事業の変革に伴い、柔軟に組織の構成を変化させてきた。その度に、各事業部門やグループ会社は既存の業務フローを見直す必要があり、それが少なくない負担になっていた。その状況について、情報システム本部システム企画部部長の下垣内禎典氏は説明する。

「従来、DNPグループでは事業部ごとやグループ会社ごとにシステムを導入して業務を管理する、いわゆる「縦型」の業務体制を採っていました。しかし、それでは組織再編の際に、各自で業務を見直したり、システムを改修したりしなければならず、極めて非効率です。そのため、以前からDNPグループでは、グループ共通のプラットフォームを導入し、そのうえで事業部やグループ会社が業務を構築する「横串」の業務基盤の確立を模索していました」(下垣内氏)。

DNPグループにおける楽々WorkflowIIの導入イメージ

こうしたなかで、DNPは2019年に全社共通でのワークフローシステムの導入を決める。当時、社会的にも機運の高まっていた働き方改革と業務効率化の推進が、導入の後押しになった。こうしてDNPはワークフローシステムの全社導入という、大規模プロジェクトに乗り出すことになる。

組織再編に対応しやすい機能を評価し、
楽々WorkflowIIを導入
グループ全体からメンバーを集結させ、
「オールDNP」の体制を構築

ワークフローシステムの導入にあたって、DNPが選定したのが楽々WorkflowIIだった。DNPグループでは新規事業開発やM&Aが活性化するなかで、組織再編も活発に実施される。DNPの目指す「横串」の業務基盤を構築するには、組織情報や承認経路を柔軟に変更できる機能が必要だった。さらに、グループ全体への大規模導入を念頭に置いていたため、事業部ごとやグループ会社ごとにシステムの改修を行える操作性の高さも求められた。

これらの条件を満たしていたのが楽々WorkflowIIである。楽々WorkflowIIは、あらかじめ改変後の組織情報を設定し改変当日に切り替える「異動予約」や、人事異動後の一定期間だけ前任の承認者が承認作業を行える「引継ぎ」の機能など、組織再編や人事異動に対応した機能を多数備えている。その他、特別なスキルがなくても申請フォーム、承認経路などをユーザが改修作業を行なえる操作性も有していた。これらの機能はDNPの狙いを実現するうえで極めて有用だった。

こうして楽々WorkflowIIの導入を決めたDNPだったが、そのころ目の前に大きな課題が浮上する。2019年末に発生し、翌年からパンデミックとなった新型コロナウイルス感染症だ。外出自粛などの制限を受けて、同社で導入中だったリモートワークが一気に加速し、申請業務のデジタル化やネット対応はますます重要な課題となった。

この新たな課題を克服し、迅速に導入プロジェクトを推進するため、DNPは2020年8月に「全社帳票委員会」を立ち上げた。この組織について、情報システム本部システム企画部の友常聡氏は説明する。

「全社帳票委員会は、本社、事業部、グループ会社から選抜メンバーを募り、さらにグループ全社のシステム担当者を加えた約90名で構成された「オールDNP」の組織です。この組織は、グループ全社で共通して行っている業務を楽々WorkflowIIに移行するための各種開発やシステムの展開などを担います。プロジェクトが進捗しにくいコロナ禍にあっても、グループ全社で目的を共有し、スピーディに取り組める体制を整えました。事実、コロナ禍には他の領域においてもシステム開発の作業が重なり、プロジェクトのリソースがひっ迫する場面もありましたが、全社帳票委員会の事務局メンバーがプロジェクトの重要性を粘り強く説得することで、リソースを確保できました」(友常氏)。

またプロジェクトでは、事業部ごとやグループ会社ごとに独自で行っている業務について、各部門が申請書や承認経路を開発する方針を採った。具体的には、事業部ごとやグループ会社ごとに管理者を指名し、管理権限を委譲。さらに各事業部・グループ会社専用の書類キャビネットを用意して、各自で申請書などの開発を行う体制とした。管理者のなかには高度なITスキルを有していないメンバーもいたため、管理者全体のスキル向上を促す取り組みも行っている。たとえば、全体説明会や個別のレクチャーを通じて、操作方法の習熟を図ったほか、グループ共通のグループウェア上に管理者同士のコミュニティを設置し、開発に関する情報を交換できるようにした。これらの取り組みは功を奏し、コロナ禍におけるプロジェクトは着実に進行していった。

導入スケジュール

楽々WorkflowIIを約1年という短期間でカットオーバー
関係会社を含め国内約80の組織のうち65組織にシステムを展開し、大規模導入を実現

2021年6月、DNPは楽々WorkflowIIの全社での運用を開始した。「全社帳票委員会」を立ち上げた2020年8月から、わずか3か月で難易度の低いものから運用を開始し、順次拡大して約1年という短期間でのカットオーバーであった。

その後も導入の勢いは衰えることはなく、むしろ加速していった。当初は全社帳票で100種類、部門固有の帳票で350種類程度だった導入範囲はその後も右肩上がりで伸び続け、運用開始から約3年後の2024年3月には全社帳票284種類、部門固有の帳票1,466種類に達した。この成果について、友常氏は「大きな手 応えを感じている」と話す。

電子化する申請・承認業務を「全社帳票」と「部門帳票」の2つに分類

「現在、DNPグループで楽々WorkflowIIを利用しているのは子会社を含めた65の組織です。これはグループの組織の大半を占めており、まさに当初の狙いであった「グループ共通の業務基盤」を構築できました。実際に、楽々WorkflowIIの利用者数は、利用対象である国内の社員の約50%に当たる約15,000人、申請文書数は累計約740,000件にのぼり、システムは幅広い範囲で日常的に利用されています。これにより、ワークフローシステムを活用した効率的で負担の少ない働き方も確立されました」(友常氏)。

今後は楽々WorkflowIIの海外展開を目指す
蓄積したノウハウを活かし
「グローバルな業務基盤」の確立へ

今後、DNPは楽々WorkflowIIのさらなる導入範囲拡大を目指す。その展望を下垣内氏は力強く語った。

「次に視野に入れているのが楽々WorkflowIIの海外展開です。DNPグループは世界34の都市に拠点を展開しており、現在は各拠点で個別に申請業務を実施しています。楽々WorkflowIIを海外展開し、ヘッドクォーターとなっている日本を含めてシステム統合することにより、グローバル規模での意思決定スキームの統合と合理化を図っていきたいと思っています」(下垣内氏)。

「オールDNP」の推進体制を原動力に、楽々WorkflowIIの大規模導入を達成したDNP。今後は楽々WorkflowIIをグローバルな業務基盤として構築し、新たな価値の創出をより加速させていく。DNPの今後の進展に大いに期待が持たれる。

情報システム本部
システム企画部
部長 下垣内 禎典 氏
情報システム本部
システム企画部
友常 聡 氏
大日本印刷株式会社様のホームページ ※本事例中に記載の社名や肩書き、数値、固有名詞等は取材時点の情報です。

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