ナレッジマネジメントとは?
ここではナレッジマネジメント・システムの概要や効果、ナレッジマネジメントを成功に導く必須ツール=検索システムをご紹介いたします。
企業内検索システムQuickSolutionは社内知識の共有と技術伝承を強力に支援します。
目次
ナレッジマネジメントとは?
ナレッジマネジメント(英語では"Knowledge Management")とは、企業活動を通じて個人が蓄積するさまざまな情報や知識を組織全体で共有し、有効に管理・共有化して企業経営に活かすという経営管理手法です。
ナレッジマネジメントが広まる理由と背景
ナレッジマネジメントは1990年代に生まれた概念ですが、近年再び注目を集めています。
以下のような理由や背景が相まって、ナレッジを管理・共有化するナレッジマネジメントの需要が高まっています。
- 終身雇用の崩壊で人材の流動化が進み、知識を引き継ぐ機会や期間が減少
- 働き方改革の推進により、これまで以上の生産性向上が急務に
- テレワーク(在宅勤務)の普及で、知識格差・情報格差が生じている
- 世代交代時にナレッジが埋没する恐れがある
- IT技術の発達により、ナレッジマネジメントの実現に必要な環境やツールが充実
ナレッジマネジメントについての課題(アンケート結果)
ナレッジマネジメントに取り組む企業はどのような課題や問題を抱えているのでしょうか?
ナレッジマネジメントをテーマにした当社主催セミナーの参加者270名に「ナレッジ活用についての課題」のアンケートを行いました。これによると、次のような課題をお持ちの企業が多いことがわかりました。
「ナレッジ活用についての課題」という問いに対して、30.5%が「特定の個人や担当者に依存している業務がある」を挙げており、
属人化が一番大きな課題であることが明らかになりました。
次いで、19.8%が「暗黙知があることを認識しているが、そのままの状態になっている」を挙げており、15.9%が「ムダな仕事が多く、業務を効率化できていない」、11.2%が「定年退職間近の熟練者が多く、ノウハウを消失する恐れがある」と続き、暗黙知の存在、業務効率化、属人化に課題があることは認識しているものの、あまり対策が取られていないようです。
また、「手順書やマニュアルはあるが、誰が作業しても同じ生産ができる内容になっていない」が10.8%、会社内での温度差への課題「多様な人材のノウハウを継承したいが、取り組みに対して会社が重要視していない」が5.7%、その他「そもそも暗黙知があるのかわからない」が5.3%、「特に課題はない」が1%となりました。(複数回答可)
このアンケートにより、暗黙知の存在、業務効率化、属人化に主な課題があることがわかりました。
ナレッジマネジメント導入のメリット
ナレッジマネジメント導入のメリットには以下のようなものが挙げられます。
①業務効率化による生産性向上
知識や技術のスムーズな情報共有により、従業員全体の知識レベルやスキルが底上げされる。さらに、情報非共有による作業の重複(たとえば各人が同じような文書を作成するなど)のような無駄が解消される。また、ベテラン社員の退職や異動時に貴重なナレッジが失われることを防ぎ、業務効率の低下を防ぐ。
②競争力の強化
熟練者のノウハウなど有用な情報が共有されていることで、高度な人材育成を効率的に実現でき、ノウハウ不足の若手社員が短期間で活躍可能に。また、蓄積されたナレッジをあらたな戦略の策定にも役立てられる。
③業務の属人化を防止
熟練者が培った勘・コツ・知識を会社の資産として蓄積し、効率的に共有したり若い世代に継承することで、情報格差を埋め業務の再現性を担保、属人化を防ぐ。
ナレッジマネジメントの最初の一歩「暗黙知を形式知に」
ここでは、ナレッジマネジメントを語る上で重要なキーワードである「暗黙知」と「形式知」についてご説明いたします。
ベテラン社員の卓越した技術や、優秀な営業担当者の巧みなトーク。企業としては、そのノウハウを多くの社員に共有してもらいたいと考えるでしょう。こういった、言葉などで客観的に表現することが難しく個人の経験で培った勘・コツ・知恵によるところが大きい知識を「暗黙知」と呼んでいます。勘・コツ・知恵はそれぞれ次のような違いがあります。特に勘は個人の直感に頼るものが大きく言語化しづらいという特徴があります。
- 勘
経験の蓄積から、物事を直感的に感じ取る能力 - コツ
経験から得た、効果的効率的なやり方や留意点 - 知恵
物事の道理を知って、適切に判断する能力
一方で、説明書や手順書のように、文章や図を用いて表現できる客観的な知識を「形式知」と呼んでいます。
昨今、暗黙知を形式知化して共有することで業務の属人化を解消しようという実務上の要請が高まっており、たとえば、個人の頭の中に蓄積された知識を体系立てて明文化しマニュアルなどの文書にするといった取り組みは、すでに多くの企業で実践されているようです。
この暗黙知の形式知への転換が、ナレッジマネジメントの最初の一歩となります。
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ナレッジマネジメントを支える検索ツール
前述した形式知化のように、ナレッジ「知」を蓄積すること(ナレッジ化)は非常に重要ですが、これはナレッジマネジメントの最初の一歩に過ぎません。せっかく蓄えた「知」を活用できて初めて、ナレッジマネジメント・システムを運用できていると言えるでしょう。
ナレッジ化の取り組みのもとに作成されたWordやExcelなどの文書を有効活用するには、それを伝達し共有する方法の確立が最も重要になります。単にファイルサーバなどに保管していくだけでは、膨大な情報資産の山に埋もれてしまいがちで、企業全体としてのナレッジに昇華させることは困難です。
インターネット上に蓄積されたページ(知)を発見する「検索」が不可欠なように、ナレッジマネジメントの実現においても「検索」は重要なツールです。
高度な「検索」が実現できてこそ、個人の知⇒組織の知として活用することが可能となります。
知の共有(ナレッジ共有)をしやすい環境を整えることが、ナレッジマネジメントの成功の秘訣です。第一段階であるナレッジ化には成功したものの、その後の活用が上手くいかなかったために、ナレッジ化に手間がかかるばかりで有用性に疑問を持つ社員の協力が得られなくなった、という事例もみられます。
特に、組織の規模が大きくなればなるほど、個人の知の把握ができず、ナレッジ共有は一層困難になります。ファイルサーバなど膨大な情報の中に埋没した有益な情報を探し出すのは容易ではなく、多くの時間が費やされています。この情報探しに費やす時間を短縮し、それによってできた時間と探し出した情報を使えば、新しいアイデアの創出や業務の効率化につながります。
このため、高精度な検索システムが必要不可欠なのです。
下記リンクのQuickSolution紹介動画にて、わかりやすくご説明させていただいております。
QuickSolutionは、ナレッジマネジメントの実現をお手伝いいたします。
ナレッジの検索・活用における3つの課題
ナレッジを検索・活用するうえで、よく聞く課題は主に3つあります。
【課題1】欲しい情報を探すのに時間がかかる
「あの資料どこにあったっけ? 確かこの辺にあったはずなんだけど・・・」と思って探したものの、探すのに時間がかかってしまった・・・そのような経験はありませんか?
企業内のデータはファイルサーバや、Webサイト、グループウェア、クラウドサービスなど様々なシステムに散在しています。それらの中から、目的の情報を効率よく短時間で探し出せなければ、業務効率が落ちるだけでなく、社内で培ったノウハウを活かせず、ナレッジ活用/技術伝承の機会も減る
ことになります。これでは、社内の知的情報資源として活用されているとは言えません。
【課題2】重要な情報が存在することを知らない
当然のことですが、知っているキーワードは検索できますが、知らないキーワードは検索できません。つまり、適切なキーワードが思いつかなければ、重要な情報の存在に気付くことすらできない可能性があるということになります。キーワードを覚えていない/思いつかない/わからないことが原因で、目的の情報へ辿り着けないこの状況をどのように改善できるでしょうか。
【課題3】情報が多く取捨選択が難しい
「検索したけれどヒットした情報が多すぎる・・・」
「どれが自分にとって重要な情報なのかわからない・・・」
このようなとき、ヒットした情報を一つひとつ読んでみる、という対処をされている方もいると思いますが、このやり方では非常に時間がかかってしまうのが課題です。効果的に情報を取捨選択するにはどうすれば良いでしょうか。
ここからは、なぜ、QuickSolutionがこうしたナレッジの検索・活用に関する課題(=ナレッジマネジメントの課題)の解決に効果的なのかをご紹介します。
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QuickSolutionで必要な情報をスピーディに発見!
欲しい情報を探すのに時間がかかるという【課題1】に対して、QuickSolutionは以下のような高度な検索機能により、ナレッジマネジメントを推進します。
検索対象の豊富さ
QuickSolutionはファイルサーバ、Webサイト、グループウェア、クラウドサービスなどを一括で横断検索できるほか、画像ファイルや画像PDFから文字を自動抽出してOCR検索することも可能です。
ピンポイントで探し出せる検索精度
キーワードの出現位置を考慮した高精度な位置考慮検索に加えて、表記ゆれを吸収したあいまい検索も可能です。入力されたキーワードと完全一致しなくてもヒットするため、検索漏れがありません。
利用者の意図に沿った検索が可能
セマンティック検索は、検索文の意味を理解しその意味に沿った検索結果を提供するAI技術です。利用者の意図・目的に沿った検索が可能なため、検索効率の向上が期待できます。
使えば使うほど賢くなる
ファイルを参照したり、お気に入り登録などの、ユーザの行動をもとにAIが自動学習し、検索結果に反映(適合性フィードバック)します。
これによって、誰が検索しても、有益な情報にたどり着きやすくなります。
QuickSolutionで検索条件の気付きを支援!
重要な情報が存在することを知らないという【課題2】に対して、QuickSolutionでは「検索キーワードの気付き支援機能」が用意されています。
サジェスト
キーワードを正確に覚えていない/思いつかない/知らなくても、その文字を含む候補のキーワードを一覧表示し、検索キーワードの入力を支援します。
(詳細については検索画面の主な機能のサジェスト機能をご参照ください)
関連語抽出
入力した検索文に関連するキーワードを検索結果の中から自動で抽出します。
知らなかった情報を取得することにより「知らないことすら知らない情報」を、最終的に「知っている情報」に変えることができるようになります。
クリックだけで情報探し Click Navi
文字入力が不要なClick Naviを使えば、ベテラン社員のもつ知識やノウハウをあらかじめカテゴリとして設定しておくことで、経験が浅く探すべき情報のキーワードを思いつかない新入社員であっても、有益な情報に簡単に辿り着くことができます。
QuickSolutionでナレッジの関連性確認や整理・分類、人材活用も!
情報が多く取捨選択が難しいという【課題3】に対して、QuickSolutionでは一目瞭然で優先して見るべき情報がすぐにわかります。
検索結果の可視化
社内に存在しているナレッジの関連性を可視化することで、どういったナレッジが存在しているかを把握でき、どのナレッジを選択すべきかをすぐに判断できます。
(詳細については分析機能の可視化機能をご参照ください)
- 検索を効率化
必要な情報が分かりやすくなり早く目的の情報にたどり着ける - 全体を俯瞰
全体を見ることで得られる情報がある(例:データ特性による集中と抜け)
共有タグ(ナレッジを整理・分類・活用)
共有タグを付与することで他の人はキーワードからではなく、この共有タグを使って情報を探すことができます。社内に存在する有益な情報を、他の社員に共有することができ、情報資産をフル活用できます。(詳細については基本検索画面の主な機能の共有タグをご参照ください)
Know-Who(専門家&専門部署検索)
資料を見たけどさらに詳しく知りたい、質問をしたいと思った時は専門知識やノウハウを持つ人/部署を探しだすこともできます。
人に聞いて終わりではなく、人から得た情報などを形式知にフィードバックすることを行い、質の良いナレッジへと改善していくことが真のナレッジマネジメントと言えるでしょう。 (詳細については分析機能のKnow-Who機能をご参照ください)
ナレッジマネジメントのフレームワーク「SECIモデル(セキモデル)」
ここまでは、ナレッジマネジメントの解説と、検索によるナレッジマネジメントの実現についてご紹介してきました。本節ではナレッジマネジメントを実現するためのフレームワークである「SECIモデル(セキモデル)」との関係についても簡単にご紹介します。
SECIモデルとは野中郁次郎氏と竹内弘高氏によって提唱された、「個人の知識を組織的に共有し、より高度な知識を生み出す」ということを主目的としたフレームワークです。
SECIモデルには次の4つのプロセスが定義されており、これらの頭文字をとってSECIモデルと呼ばれています。これらのプロセスを繰り返すことで、個人と組織が相互に作用し知識が高度化するとされています。
- 共同化(Socialization)
暗黙知を共有 - 表出化(Externalization)
暗黙知を形式知化 - 連結化(Combination)
形式知を結合して知を創造 - 内面化(Internalization)
創造された知を習得
また、SECIモデルがうまく機能するには、次の「場」が必要であるとされています。
- 共同化するための「創発場」(例:雑談、飲み会)
- 表出化するための「対話場」(例:会議、マニュアル作成)
- 連結化するための「システム場」(例:チャットツール)
- 内面化するための「実践場」(例:普段の業務)
検索ツールであるQuickSolutionは、形式知の「検索」「関係性の可視化」「整理・分類」や、知識を持った「専門家の検索」などの機能によって、ナレッジマネジメントに必要な「場」の提供に貢献します。
ナレッジマネジメントを推進するために、ナレッジマネジメント専用のツールを導入するケースも多くありますが、ツールの操作が煩雑であるなどの理由で使われなくなったり、利用者の負担が大きくなってナレッジマネジメントがうまくいかなかった失敗事例もよく聞きます。
特別な教育が不要で誰でもすぐに使い始めることができる、検索ツールQuickSolutionはナレッジマネジメントを推進するためのツールとして最適です。
ナレッジマネジメントの活用・導入事例
セイコーエプソン株式会社
部門横断的な文書検索を可能にし、社内ナレッジの利活用を促進
Gcomホールディングス株式会社
入社年次の浅い社員も本来の能力を発揮できる環境を確立
株式会社虎屋
長い歴史の中で積み重ねられた膨大な情報資産を有効活用
コクヨ株式会社
過去の情報を知恵化して、「気づき」を提供する仕組みを構築