アズワン株式会社

アズワン株式会社

精密・医療機器総合商社基幹再構築

基幹システム再構築の開発基盤として楽々Frameworkを採用
圧倒的な高生産性と保守性を実現し、楽々を起因とする障害はゼロ

アズワンは1933(昭和8)年に創業し、理化学機器の総合商社として研究用機器や消耗品などの科学用機器分野、無塵手袋や工具等の産業機器分野、さらに看護用品などの病院・介護用品分野に進出している。
同社の製品カタログには約3万点の商品が掲載されており、お客様にカタログから商品を選んで注文いただき素早く出荷するしくみとなっている。今回、22年間稼働していた基幹システムをスクラッチ開発で再構築することになった。その開発基盤となるフレームワークに選ばれたのが「楽々Framework」である。

旧システムの課題と問題点

「ASCA(飛鳥)」の業務範囲は、案件管理、見積、受注、売上、発注、仕入、債権債務管理など、アズワン社内の基幹業務全てにわたる。1990年にオフコンシステムからスタートし、メインフレームを経て22年間稼働していたが、業容の拡大に対応するためのさまざまな取り組み課題が出てきた。

  1. データベース項目の桁数拡張
  2. 内部統制強化
  3. スケールアウト型インフラへの移行
  4. 周辺システムとのリアルタイム連携
  5. COBOL技術者の要員確保
藤中 謙一 氏
アズワン株式会社
執行役員 IT推進本部長
藤中 謙一 氏
箱田 真一 氏
アズワン株式会社
IT推進部 マネージャー
箱田 真一 氏

スクラッチ開発での再構築を選択

アズワンでは、1つの商品に対して複数の価格や商品コードが存在し、カタログに載っておらず商品コードがない製品でも仕入可能となれば販売する。そんな柔軟な業務に対応できるパッケージソフトはなく、カスタマイズすれば規模が大きくなる。また、COBOLのままマイグレーションすることも検討したが、開発者を確保していくのは難しく、保守・運用に不安が残る。このような理由から、Javaによるスクラッチ開発での再構築を選択した。

生産性・保守性が高く、充実したサポートに高評価

スクラッチ開発で生産効率と品質維持を両立するためには、基盤となるフレームワークの導入が不可欠だと判断し、OSSのStrutsや商用のフレームワーク製品を評価した。

その結果、楽々Frameworkが生産性と保守性とも最も優れていた。また、旧システムで慣れ、利用者からの要望も高いマウスレスで操作できる業務画面を標準機能で簡単に構築できることも重要なポイントとなった。

「開発が終わって感じたことだが、サポートがとても充実していた。開発にあたり、いくつかのリクエストを出したら、次のバージョンアップで標準機能として実装されたものもある。問合せの対応にも、1~3日で回答があり、使っていて非常に安心感があった」と、IT推進部 マネージャー箱田 真一氏は語る。

フレームワークの比較表

フレームワークの比較表

十分な事前検証を経て基幹システムへの採用を決定

基幹システムに重大な障害が発生すれば業務がストップする。よって、楽々Frameworkの採用決定に際しては、念入りな検証を実施した。まず、楽々Frameworkの既存ユーザを訪問し、具体的な開発実績や運用状況を確認した。

次いで、画面遷移やマウスレスの操作性、マスター参照のレスポンスなどを確認するため、基幹システムと操作性が似ている見積管理、修理、契約管理、与信管理システムをプロトタイプとして開発し、課題の洗い出しを行った。

アズワンだけでなく、システム構築パートナーのNCS&A(当時:日本コンピューター・システム)とも共同で検証した結果、要求を満たす機能、性能、そして信頼性を確認できたので、楽々Frameworkの採用を正式に決めた。

業務共通チームの4つの工夫

本プロジェクトはピーク時100名の技術者が必要な大規模なシステム開発であり、まず必要な技術者を集め、楽々Frameworkの教育を順次実施した。さらに、楽々Frameworkの高生産性、高品質を大規模開発で発揮させるために、技術者の重鎮となる業務共通チームを立ち上げた。

業務共通チームの4つの工夫

業務共通チームはプロジェクトを成功に導くために、プロジェクトを統制し効率的な開発を実現するための次の施策を実施した。

  1. 楽々Frameworkを利用した標準化・部品化による生産性向上
  2. 専用の管理ツールの作成と可視化の実現
    ・情報交換や障害管理
    ・DDやMDの管理
  3. DDやMD等の登録・変更申請ルールの徹底
  4. 開発フローの共有と各種規約の整備

大規模開発を成功させるために、DD/MD管理規約、ネーミング規約、ビジネスロジックの記述規定、各種コーディング規約などを徹底して事前に整備した。さらに、これらの規約がどの作業工程で使われてどのような成果物を残すのかをフローにして見える化し、周知した。

「共通チームのメンバー構成は、多い時で6人程度。苦労もあったが、最終的にはいい開発基盤ができた」と、アズワン箱田氏は語る。

ASCAの本番移行

業務範囲が広範で、一斉切り替えのリスクを避けるため、本番移行を2期に分けた。第1期として2010年8月に小規模の債権債務管理、案件管理を本番化し、第2期として2012年5月にメインとなる購買管理システム、マスター管理、債券債務2次を本番化した。

システム規模は、画面が520(ポップアップ参照用を除く)、帳票が240、それを管理・運用するバッチジョブが1100と大規模だったが、1つを除きすべて楽々Frameworkが提供する標準パターンで開発できた。

「業務を標準パターンに合わせたわけでなく、業務に合った部品が提供されている。豊富なパターンのおかげで、ホスト利用時と同じ業務の開発ができた」と、箱田氏は語る。

ASCAの画面例

ASCAの画面例

ASCAの特長

  1. マウスレスの操作
    受注1伝票あたりの入力時間平均30秒以内を実現
  2. 専用ソフトが不要(ブラウザのみ)
    PC導入費の削減
  3. ホストに比べわかりやすい画面
    (記号/暗号表記撤廃)
    オペレーション教育の時間短縮
  4. 内部統制対応
    帳票長期保存、再発行機能
    ユーザ単位のメニューコントロール
    操作ログの記録と長期保存
  5. 他システムへのポータルとしての機能

新システムは旧システムより1画面で表示できる情報量がかなり増え、従来、別画面で確認していた業務が1ステップに近い操作で実現できている。特に受注センター業務は、高速レスポンスと利便性を追求し、受注1伝票あたりの入力時間30秒以内という厳しい条件をクリアした。わかりやすさも向上し、ヘルプデスクは第2期の本番稼働後3週間設置しただけだった。

楽々Frameworkを起因とする障害はゼロ

「第1期の運用開始から現在まで、オンライン、バッチいずれも長時間の停止はゼロ、楽々Frameworkを起因とする障害発生もゼロ、非常に満足できる結果である。開発中に発生した問題は、住友電工情報システムの迅速な対応により本番前にすべて解決し、安心して利用している」と、執行役員 IT推進本部長の藤中 謙一氏は語る。

アズワンでは、「ASCA」の再構築で培った楽々Frameworkの技術を今後のシステム開発に活かしていく予定だ。

※本事例中に記載の社名や肩書き、数値、固有名詞等は取材時点の情報です。

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