高知市上下水道局浄水課水質管理センター

高知市上下水道局浄水課水質管理センター

水質管理のISO文書管理

水道GLP文書管理のためISO対応の楽々Document Plusを導入
検索や版管理の機能を活用し、適正な管理体制を構築

高知市上下水道局において水質検査や水質管理業務を担う浄水課水質管理センター。同センターでは、水質検査の信頼性に関する認定制度「水道GLP(Good Laboratory Practice)」において要求される文書の管理を、自前で構築した水質管理システムで行っていたが、システムの老朽化によりブラックボックス化が進み、保守管理などに課題を抱えていた。そこで、旧システムを楽々Document Plusにリプレイスし、文書管理体制を再構築。管理体制を維持しつつ、システムの保守管理を効率化した。

自前で構築した水質管理システムがブラックボックス化
文書管理システムの導入で管理体制を強化

高知県高知市の西南部、市街地から10kmほどの位置にある高知市上下水道局浄水課水質管理センターでは、9名の職員が水源や浄水場、送配水施設、給水栓などの水質管理にあたっている。水道事業において、水質基準の遵守は極めて重要であり、水質管理には信頼性の高い検査体制の構築が必要だ。そこで、同センターは2012年に「水道GLP」の認定を取得し、現在まで更新を続けている。

水道GLPは、水道法に基づいてISO9001及びISO/IEC17025の一部を水質検査向けに具体化した品質保証基準だ。第三者機関である日本水道協会が水質検査の精度と信頼性を認定する。つまり、認定の取得にはISO9001及びISO/IEC17025に準ずる文書管理体制が求められることから、同センターは自前で構築した水質管理システムで各種文書を管理していた。しかし、システムの利用が長期間にわたるなかで、次第にいくつかの課題が表面化してきたという。その課題について、同センターの担当者は次のように説明する。

「旧来のシステムは、以前、当センターに勤めていた職員が、あるデータベースプラットフォーム製品で構築したものでした。システム上で文書の作成、回付、保存、検索などを実行でき、水道GLPの文書管理に必要な要件は十分満たしていましたが、構築した職員が退職してしまったために、次第にシステムがブラックボックス化し、システムの改変などができず困っていました」

さらに、システムの動作環境にも課題があったという。「旧来のシステムはMac専用に構築されていましたが、当センターが高知市から支給されているのはWindowsのPCです。検査結果をWindowsのPCで使用するには、MacのPCからUSBメモリでデータを移す必要があるのですが、その都度記録を残さなければならず業務の負担になっていました」

そこで、同センターは新たな文書管理の体制を築くべく、文書管理システムの導入を検討しはじめた。

高知市上下水道局浄水課水質管理センター

ISO対応の楽々Document Plusを水道GLPの文書管理に応用
独自の運用方法などを確立しながら、管理体制を再構築

文書管理システムを導入するにあたって、同センターは、他の自治体における水道GLP対応について調査したが、基本的に紙の帳票やExcelで管理を行っており、文書管理システムを利用しているセンターは見つからなかった。そのため、ゼロからのリサーチを行い、その際に可能性を見出したのが楽々Document Plusだった。同センターの担当者は同製品の第一印象を振り返る。

「自治体向けの製品だけではなく、民間企業で利用される汎用的な製品まで視野を広げて、水道GLPに対応できそうな製品を探しました。楽々Document Plusは、ISO文書管理に対応していたため、水道GLPへの応用が見込めましたし、Windowsでの動作も可能でした。また、ベンダーからの情報提供も丁寧でした」

同センターは、2022年8月ごろからシステムの導入に着手した。導入にあたっては、従来の文書管理体制を大幅に変更している。旧来のシステムでは、水道GLPに関する文書管理と検査結果などの水質データ管理を同じシステムで管理していた。導入にあたって水道GLPの文書管理を楽々Document Plusに移行、水質データ管理を別のシステムに移行し、従来は一つのシステムで行っていた管理を二つのシステムに分割した。管理先を分割することによる負担増も懸念されたが、二つのシステムを紐付けて利用する方法を確立したため、業務への影響はほとんどなかった。

具体的には、検査結果の数値を水質データ管理システムに入力し、水質検査報告書を作成しているが、この報告書や検査結果の根拠となる記録類を楽々Document Plusに登録する際に報告書番号や採水日などの属性情報を入力することで、検索が簡単に行えるとともに、データのトレーサビリティが確保できるようにした。また、登録頻度の高い文書に関しては自動登録機能を活用。「測定結果報告書」の帳票をOCR処理して登録を自動化しており、日常業務の負担を軽減している。

導入前の管理レベルを維持しながら業務効率化にも成功
文書改訂への対応も容易になり、更新審査への手応えも十分

現在、同センターは楽々Document Plusを用いて、水道GLPが定める一次文書から四次文書までの4段階の文書を、各段階に対応したフォルダで管理している。加えて、記録を管理するキャビネットを別途作成している。

キャビネットの状況

キャビネットの状況
●GLP文書キャビネットの中に4つのフォルダを設定し、それぞれに対応した文書を保存。さらに、別キャビネットに検査結果などを記録した文書を保存している。

検査機器の操作手順などを定めた三次文書や、検査結果の報告などに用いる四次文書は、しばしば改訂が求められるが、楽々Document Plusは版管理の機能を備えているため改訂時の対応は容易だ。この管理体制に同センターの担当者は大きな成果を感じている。

「求めるレベルの文書管理を実現できていますし、なによりシステムの保守管理が容易になりました。また、以前はすべての文書をPDFで管理していたため、WordやExcelのファイルはPDFに変換していましたが、楽々Document Plusはビューワ表示が可能なのでWordやExcelのまま保存してもファイルを閲覧できます。そのため、PDF変換の作業が不要になり、業務効率化も進んでいます」

導入以降まだ水道GLPの更新審査は行われていないが、同センターの担当者は「この体制で水道GLPの要件は満たしていると考えています。更新審査も十分クリアできると思います」と確かな手応えを感じているという。

「市民相談」など水道GLP以外にも利用範囲を拡大
今後はシステムへの理解を深め、さらなる運用の高度化を目指す

同センターでは、楽々Document Plusを水道GLPの文書管理以外にも活用している。その一つが、お客様から水道水質に関する相談を受けた際などに作成する「市民相談」の文書管理だ。以前、この文書は紙の帳票で保存されていたが、現在は楽々Document Plusでの管理に移行している。市民相談の文書は、年度末に集計しているが、移行後は、Excel出力機能により報告内容を一覧化できるため、集計作業が大幅に効率化した。今後、同センターの担当者は、こうした取り組みを通じて、楽々Document Plusの活用範囲をさらに広げていきたいと話す。

「楽々Document Plusは機能が豊富なので、まだまだ十分に使いこなせているとはいえません。そのため、今後はさらに習熟しながら、運用を高度化していきたいです。幸い、楽々Document Plusはサポートも充実していて、些細な疑問にも非常に丁寧に回答してくれます。そうしたサポートを活用しながら、活用範囲をさらに拡大していきたいと考えています」

言うまでもなく、水道は社会や生活を支える最も重要なインフラの一つ。その品質を維持するうえでは、適切な管理体制はもちろん、日常的な業務の効率化も欠かせない。同センターの業務を支える重要な役割を楽々Document Plusが担っていた。

企業プロフィール

高知市上下水道局浄水課水質管理センター

  • 設立 : 1979年(昭和54年)
  • 所在地 : 〒780-8087 高知県高知市針木北1丁目15−15
  • 事業内容 :
    高知市上下水道局浄水課水質管理センターは、高知市上下水道局において主に水質管理を担う部門。河川水や地下水、浄水場、送配水施設、給水栓などの水質管理を行い、高知市内の水道水の安全を守っている。2012年には、水道水質検査の精度と信頼性を担保する「水道GLP」の認定を取得。現在まで更新を続けている。

高知市上下水道局浄水課水質管理センターのホームページ

※本事例中に記載の組織名や肩書き、数値、固有名詞等は取材時点の情報です。

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