情報共有とは?必要性やメリットを解説
この記事のポイント
- 情報共有は、業務進捗状況・経験・知識などを、組織全体や社内チームなどへ共有すること。
- 情報共有は、業務効率化やコスト削減、ノウハウ・ナレッジ共有といった効果があり、リモートワークを推進するうえでも重要視されている。
- 情報共有を成功されるためには、情報共有を行う目的や意識を社員に浸透させ、共通のルールを構築することが大切。
- 情報共有は、「共有すべき情報を収集・精査する」「共有する」「活用する」の流れで進めると効率的で、情報共有ツールの導入もおすすめ。
新しい情報や蓄積した個人の経験などを社内で適切に情報共有できれば、企業の生産性向上や業務効率化などが期待できます。
しかし一方で、「そこまで予算をかけて見直す必要はない」「具体的なやり方がわからない」と、情報共有に関する改善について二の足を踏む担当者もいるのではないでしょうか。
当記事では、情報共有の意味や必要性、具体的なメリット、情報共有を成功させるためのポイントなどを解説します。
「情報共有」の意味とは
企業活動における情報共有とは、組織や社員個人が持っている業務進捗状況・経験・知識などを、組織全体や社内チームなどへ共有することです。
組織全体で共有しておくべき情報は、場所や時間を問わず、全員が同じ鮮度で同じ内容を受け取れるのが理想です。しかし、実際にはタイムロスや受け取りミスなどが発生し、届くべき社員に届かないケースがあります。
そこで情報共有についての方法や社員の意識を一度見直すことで、頻発していたミスを減らしたり業務を効率化できたりなどが期待できます。企業全体の生産性の向上を見込めるでしょう。
昨今では企業としての信頼度を上げるため、社内だけでなく協力会社やその他ステークホルダーとの情報共有を行う重要度も増してきました。情報共有のノウハウ自体にも価値が出てきています。
将来的に「オープンイノベーション(自社以外の組織などからの技術やアイデアの流入出を活用し、イノベーションを創出する)」による事業展開を検討する場合も、まずは社内での情報共有のノウハウを貯めておく必要があります。
情報共有のメリット・必要性
適切な情報共有は、組織や個人に対してさまざまなメリットをもたらします。とくにリモートワークが普及した現代社会では、情報共有の重要性がより認識されるようになりました。
情報共有の具体的なメリットや必要性を知ることで、情報共有体制の見直し時の参考となったり、社員への共有で意識付けのきっかけとなったりなどが期待できるでしょう。以下では、具体的なメリットについて解説します。
組織全体の業務内容・進捗が確認できる
適切な情報共有によって、業務について「いつから・誰が・どれくらい」といった、内容や進捗を組織全体で確認しやすくなります。全体が確認できることによるメリットは、次の通りです。
- メンバーの進捗状況がわかり、スケジュールの見直しや工数の割り振りなどが適切に行える
- 組織全体や個人で抱える問題点や改善点が把握しやすくなる
- 伝達ミスや伝え漏れなどによるトラブルを防ぎやすくなる
- 業務マニュアルやテンプレートを共有することで、新しく作成する労力を削減できる
このように共通の情報を社員同士が知っておくことで、お互いがフォローしたり新しいアイデアが生まれたりなどの相乗効果が期待できます。
業務効率化やコスト削減ができる
適切な情報共有によって、企業活動におけるさまざまな業務効率化やコスト削減効果が見込めます。具体例を見ていきましょう。
- 必要な情報を検索したり知っている人を探したりなど、情報検索にかかる時間が短縮できる
- 誤った情報の抽出による、資料作成ミスや共有ミスを防止できる
- 情報把握の高速化による迅速な意思決定によって、商機などのビジネス機会の損失を減らせる
業務効率化やコスト削減は、金銭や時間面でのロスを抑えることにつながります。
ノウハウやナレッジを共有できる
共有すべき情報は、プロジェクトの内容や業務進捗だけではありません。ナレッジ(組織にとって有益となる知識や経験)や個人のノウハウも共有できれば、組織全体にとって大きなメリットにつながる可能性があります。
たとえば、優秀な営業員のナレッジ・ノウハウを知ることは、営業部門全体のスキルアップにつながります。もし全員のスキルが高水準となれば、組織全体に大きな利益をもたらすはずです。
また、ベテラン社員が経験した過去のトラブルや失敗例を全員に共有すれば、業務改善策の立案やミス防止マニュアルの作成といった、企業の問題解決に向けた活動が進められます。新人教育やリーダー育成など、人材育成方面のプラスになる知識も期待できるでしょう。
リモートワークでの情報共有の重要性
社員のエンゲージメント向上などのメリットがあるリモートワークですが、オフィスから離れた場所で作業する分、情報共有を行う重要性は非常に大きいです。
リモートワークでは、情報共有において以下の懸念点が存在します。
- 口頭での直接的なやり取りや雑談が減り、コミュニケーションの総量が減少する
- 社員が情報を知るまでにタイムロスが発生しやすくなる
- 進捗状況や業務変更の伝達ミスによる、誤った書類作成やプロジェクト遅延などのリスクが大きくなる
リモートワークを円滑に進めるには、上記のようなコミュニケーションロスをいかに減らすかが鍵です。
情報共有によってコミュニケーションをしっかり取ることで、社員同士のチーム意識の維持やミスの発生防止などにつなげることが大切になります。
業務をサポートする情報共有ツール
- エンタープライズサーチ QuickSolution
- 文書管理・情報共有システム 楽々Document Plus
- ノーコード型エクセル業務効率化支援ツール 楽々Webデータベース
- 電子承認・電子決裁システム 楽々WorkflowII
情報共有がおろそかになる原因
情報共有の必要性が増している一方、適切な情報共有がなされていない組織は少なくありません。社内での情報共有がおろそかになる原因として考えられるのは、主に次の通りです。
- 即座に売上を生み出す作業ではないので、優先的に取り組む風土がなく改善が後回しにされる
- 作業が形骸化し情報共有の中身が効果をもたらすものになっていない
- 情報共有できる体制やシステムが構築されていない
- 社員自身が情報共有のメリットを理解していない
- 社内やチームのコミュニケーションに問題がある
システム的に情報共有が難しいというより、社員の意識や体制そのものに問題があるケースが多く見られます。
逆に言えば、社員個人レベルでの意識改革をスタート地点として、最終的に情報共有に関する体制や風土を整えることは可能です。
基本的な情報共有の仕方
情報共有の方法や情報共有用のツールにはさまざまなものがありますが、いずれにおいても基本的な情報共有の仕方があります。
情報共有の流れ
情報共有の流れを分割すると、「共有すべき情報を収集・精査する」「共有する」「共有した情報を活用してもらう」の3つです。
共有すべき情報を収集・精査する
組織内には膨大な量の情報が蓄積され、なおかつ各部署の資料や保存ファイルに散らばっています。まずはその中から必要な情報を収集し、取捨選択を行います。
取捨選択において、具体的にチェックする項目は次の通りです。
- 収集した情報をファクトチェックし、信憑性を確認・担保する
- 収集した情報をカテゴリー分けしたり時系列に並べたりして、社員内で共有しやすいよう分類・整理する
- 短時間で消費させる「フロー情報」と、時間が経っても価値が変わらない資産として扱う「ストック情報」に分ける
共有する
情報を収集・精査した後は、実際に社員へ情報を共有します。共有するときは、「誰に共有するか」「どこまで共有するか」「編集許可はどこまでにするか」などをしっかりと設定・管理しましょう。
また、共有前にはセキュリティ面が正常に動作しているかもチェックしてください。とくに、機密情報を共有する際には意識しましょう。
情報を活用してもらう
情報を共有した後は、共有情報を活用してもらうことが大切です。たとえばノウハウやナレッジであれば、各社員のスキルアップや業務改善、新入社員教育などに応用してもらいます。
情報を社員に活用してもらってこそ、適切な共有ができていると言えるでしょう。
情報共有の具体的な方法
情報共有の方法としては、口頭、メール、情報共通ツールなどが考えられます。
口頭での共有は気軽に行える反面、文書などの形として残らないため、認識のズレが出たり振り返りが困難だったりなどのデメリットがあります。
メールでの共有は、伝えた内容を文書として残すことが可能です。しかし、共有先のアドレス確認やメール作成の手間などが発生します。誤送信による、社外への情報漏洩流出リスクも考えられるでしょう。
情報共有ツールとは、文字通り情報共有の実施に特化したソフトウェアやクラウドサービス、アプリなどのことです。導入コストがかかるものの、口頭やメールより社内での情報共有から情報管理までが非常にやりやすくなります。
情報共有するためのポイント
情報共有を成功させるには、情報共有がうまくいく土壌を作り上げることが大切です。ここからは情報共有するためのポイントを紹介します。
情報共有を行う目的や意識を社員へ浸透させる
社員に情報共有を行う目的や意識を浸透させ、社員1人ひとりが意図的に情報共有を行う風土を構築しましょう。
いくらシステムや体制的に情報共有が進めやすい環境であっても、社員自身が重要性や共有する理由を理解していないと、社内で情報やノウハウが回ることはありません。
目的や意識を浸透させるための具体策は次の通りです。
- 情報共有による成功事例を紹介する
- 具体的なメリットや行わないデメリットを紹介し、ポジティブな印象を与える
組織体制やシステムを見直すのと同時に、社員の情報共有に関する目的・意識の統一化が重要になります。
共通のルールを構築する
情報共有に関する共通ルールを構築しておき、適切な情報共有が行われるように促します。システムやツールの導入も1つの手ですが、まずは共有の仕方の基本的なルールを学び、実行してもらうことが大切です。
たとえば、次の基本的な部分を制定しておくことをおすすめします。
- 情報のまとめ方(情報を精査する、取捨選択する、情報が見やすいように箇条書き・グラフ・色彩を利用するなど)
- 情報の伝え方(結論から伝える、5W2Hを意識するなど)
- 情報共有の仕方(メールを使うのか、情報共有ツールを用いるのかなど)
- 共有した情報の扱い方(ファイル管理のルール、タグやグループ機能のルールなど)
情報のまとめ方や伝え方まで1人ひとりが意識できれば、共有したい情報がより意図した形で広がりやすくなります。
共有した情報を活用しやすくする
共有した情報を社員に活用してもらうには、事前に情報を整理しておき、共有した情報を見やすしたり探しやすくしたりしておくことが大切です。
たとえばファイルの命名や分類に法則性を持たせる、部署やチームごとにグループ分けしておく、蓄積する情報と消去する情報を区別しておくなどが考えられます。
情報共有ツールを導入する
情報共有ツールの導入は、情報共有を円滑に行う上で非常におすすめです。導入するメリットは次の通りです。
- メンション機能や通知機能などで意図した相手に情報を共有しやすくなる
- グループやタグの設定、タスク管理など便利な機能で業務効率化が見込める
- いつでも誰でも簡単に情報が検索・閲覧・編集・共有しやすくなる
- 業務状況の把握が簡単になる
情報共有ツールには、文書管理に特化した文書管理システム、社員同士のコミュニケーションに特化したビジネスチャットツール(社内SNS)、Webカメラを利用したWeb会議システム、名刺を管理する名刺管理ツールなどがあります。
自社の課題を克服できる情報共有ツールを選んでください。
適切な情報共有で業務を効率化しよう
社内での情報共有は一見して誰でもできているように見えて、実は相手にきちんと伝わっていないケースが多々あります。
適切な情報共有の方法や情報共有を実施する風土を確立しておけば、業務ミスや遅延を防げたり、リモートワーク下でも業務が遂行できたりなどが期待できるでしょう。
弊社住友電工情報システムでは、中小企業の業務をサポートするさまざまな情報共有ツールを提供しています。
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執筆者
住友電工情報システム株式会社
ビジネスソリューション事業本部 デジタルマーケティングチーム