ふくおかフィナンシャルグループ

ふくおかフィナンシャルグループ

文書検索効率化と管理コスト削減の実現

ふくおかフィナンシャルグループ

QuickSolutionと楽々WorkflowIIの連携により
複数銀行を統括する経営体制に最適な文書管理を実現

福岡銀行、熊本銀行など複数の金融機関をグループ傘下に収める金融持株会社の株式会社ふくおかフィナンシャルグループ(以下、FFG)は、既存の文書管理システムの利用率低下と文書検索性の課題を解決するためQuickSolutionを導入。姉妹製品である楽々WorkflowII(以下、楽々WF)やファイルサーバとの連携により、グループ内の文書をアクセス権限に基づいて効率的に利用可能な環境を整備した。これにより同社は「シングルプラットフォーム・マルチブランド」の独自経営体制に最適な文書管理体制を構築している。

文書管理システムの利用率が低く、無駄なコストの要因に
OSのバージョンアップを契機に文書管理体制を見直し

福岡県福岡市に本拠を置くFFG。同社は、九州を地盤とし、福岡銀行、熊本銀行、十八親和銀行、福岡中央銀行など複数の金融機関をグループ傘下に抱える金融持株会社である。各行のブランド名を維持しながら、組織機能の一部を集約する「シングルプラットフォーム・マルチブランド」の経営体制を採用し、地域密着と経営効率化を両立している。また、近年では、個人向けバンキングアプリや事業者向けポータル「BIZSHIP」の独自開発・提供を通して、DXを通じたビジネスモデル変革にも力をいれている。

新たな時代に向けた数々の変革活動に取り組むFFG。その姿勢は社内向けの施策においても反映されている。同社は2024年から住友電工情報システム(以下、SIS)が提供する企業内検索システムQuickSolutionを導入し、稟議書をはじめとした社内文書の横断検索・管理に活用している。導入の経緯は「楽々WFや文書管理システムを運用していたサーバのOSバージョンアップがきっかけだった」とIT統括部主任調査役の岩坂京子氏は語る。

「当社では文書管理システムなどをWindows Server 2012の上で運用していましたが、2023年にWindows Server 2012のサポート終了が決定しました。これに伴い、OSのバージョンアップが必須となり、以前から課題だった文書管理システムのリプレイスを決定しました。既存の文書管理システムでは稟議書などの複数の文書を保管していたのですが、文書に添付されたZipファイルが標準の全文検索機能で検索できないなどの課題がありました。これらが原因でユーザの利用率は低迷し、システムの利用拡大が進まない一方で、運用コストだけが増大する状況が続いてました。」(岩坂氏)。

このような経緯から、FFGはOSのバージョンアップと同時に、QuickSolutionを導入し文書管理体制全体の見直しにも取り組むことを決めた。

アクセス権限を考慮した検索やAWSとの親和性を高く評価
SISの手厚いサポート受け、構想通りの文書管理体制を構築

文書管理体制を見直すに際し、FFGは既存システム構成を大幅に変更する決断をした。従来は、文書管理システムで文書の保管や管理を行っていたが、OSのバージョンアップ後は文書管理システムを廃止し、既存文書は新設のファイルサーバへ移行する方針とした。さらに、従来から利用していたSISのワークフローシステム楽々WFとファイルサーバをQuickSolutionで統合的に検索・管理する体制を構想した。

FFGがQuickSolutionを採用した理由の一つにアクセス権限管理機能がある。QuickSolutionは楽々WFやファイルサーバで設定したアクセス権限を考慮して検索できる。顧客情報などの機微情報を扱うFFGにとって、検索性の向上とともにセキュリティ対策が図れるため最適な製品だった。

そのほか、Amazon Web Services(以下、AWS)上で運用できる点も導入の決め手になった。OSのバージョンアップに併せて、FFGは楽々WFなどをAWS上に移行する予定であったため、検索システムにもAWSとの親和性が求められた。その点、QuickSolutionはAWS上での運用が可能なことに加え、オンプレミスとクラウド環境を横断した検索も容易に実現できた。これは導入後のスケーラビリティの向上という点でも魅力的だった。

OSバージョンアップに伴い楽々WFとファイルサーバをQuickSolutionで横断検索する体制へ

こうしてQuickSolutionの導入を決めたFFGは、2023年11月頃から導入作業に着手した。作業の担当者はFFGから岩坂氏含め2名、協力会社の技術者が3名、SISからサポートの技術者が1名の計6名という体制であった。この際の様子について、岩坂氏は「楽しい雰囲気で作業をしていたのが印象的でした」と振り返る。

「システム更改のプロジェクトは往々にして緊張が張り詰めた雰囲気になりがちです。間違いがあってはいけないため仕方ないことなのですが、今回それとは逆にチームのメンバーが楽しそうに導入を進めていました。SISのサポートの方が参画してくれたおかげで、不明点をすぐに質問できただけでなく、システムの構築方法についても具体的な提案をいただけたのが非常に助かりました。こうした手厚いサポートもQuickSolutionを導入するうえでの利点だったと思います」(岩坂氏)。

SISの手厚いサポートを背景にFFGは着実にプロジェクトを推進。2024年3月には運用を開始し、当初の構想通りの楽々WFやファイルサーバとの連携体制を構築した。

文書検索環境の効率化と管理コスト削減の実現
複数銀行が並立する組織体制特有の課題を克服

現在、FFGの従業員は日常的にQuickSolutionを用いて楽々WFやファイルサーバの文書を横断検索・活用している。既存の文書管理システムに保存されていた文書データはすべて新設したファイルサーバに移行し、楽々WF上の文書とともに全文検索可能になった。さらに、QuickSolutionは画像OCR機能も備えているため、画像PDFや写真データも全文検索の対象にできるようになった。紙の文書をスキャンしたデータを大量に保有しているFFGにとって、この機能は極めて利便性が高い。これらの結果、従来の文書管理にまつわる課題を解決できたとIT統括部の池田光太郎氏は次のように説明する。

「まず大きな成果として、既存の文書管理システムを廃止できたことが挙げられます。利用率の低いシステムを維持し続けることは、コストの浪費そのものであり、その状況を改善できた点は非常に意義深いと考えています。また、従来よりも稟議書などの申請書を迅速に検索できるようになったことも重要な変化です。特に、当社の組織体制では、複数の銀行が並立し、各行で同じ業務が個別に発生するため、これらを取りまとめるFFGの負担が大きく、管理コストが増えやすい状況にありました。しかし、現在ではグループ内の文書を効率的に横断検索・利用できる環境が整い、管理業務にかかるコストを大幅に抑制できています。実際に、私も業務でQuickSolutionを利用しますが、以前の文書管理システムでは検索対象にできなかった添付のZipファイルを含めて即座に文書が表示されるため、作業効率が飛躍的に向上した実感があります」(池田氏)。

迅速な文書横断検索で事業強化を実現
生成AIにはないQuickSolutionの検索メリット

QuickSolutionの導入を振り返って、経営企画部経営管理グループ主任調査役の小澄洋光氏は「当社の組織体制に適した文書管理体制を築くことができました」と話す。QuickSolutionが可能にする迅速な文書横断検索が、FFGの強みをさらに強固なものにしているのだという。

「『シングルプラットフォーム・マルチブランド』の経営体制は、当社の強みです。地方銀行の強みは何といっても地域との結びつき。行名はその象徴であり、ブランドを残すからこそ得られるお客様からのご愛顧や信頼があります。しかし、複数の銀行がグループ内で並立すれば、管理業務の増大や情報共有の複雑化といった課題は避けられません。こうした組織体制特有の問題に対して、QuickSolutionは迅速な文書横断検索で的確なソリューションを提供してくれています」(小澄氏)。

今後、FFGはQuickSolutionの導入範囲を拡大し、他のクラウド上のシステムやサーバ統合基盤上で運用しているグループウェアも検索対象とする方針だ。その先に、グループ内のあらゆる文書をアクセス権限に準じた形で検索できる体制の構築を目指している。

FFGにおけるQuickSolution導入範囲 SharePoint OnlineやBoxなども検索対象とする計画

最後に、岩坂氏にQuickSolutionの評価を尋ねると「“検索”の利点を十二分に発揮してくれる製品だと思います」と答えた。

「昨今、生成AIがブームですが、銀行業務は多くの規則で規制されているため、生成AIを活用できる範囲には限界があります。いくら技術が進化しても“文書を検索して閲覧する“という作業は銀行業務からはなくなりません。そうした点から考えても、QuickSolutionは当社にとって極めて利便性の高い製品だと思います」(岩坂氏)。

近年、生成AIの技術は発展を続けている。しかし、その技術だけでは補いきれない 領域をQuickSolutionが支えており、FFGの組織体制をより強靭なものにしている。

株式会社ふくおかフィナンシャルグループ
経営企画部 経営管理グループ 主任調査役 小澄 洋光 氏
IT統括部 主任調査役 岩坂 京子 氏
IT統括部 池田 光太郎 氏
※本事例中に記載の組織名や肩書き、数値、固有名詞等は取材時点の情報です。

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