中国電力株式会社
グループウェア活用
目次
中国電力株式会社:社内情報検索
求められた要件は、グループウエアなどに蓄積された約2TBのデータを5秒以内で検索できる検索エンジン。QuickSolutionの初期導入からバージョンアップを行い、構築費用の大幅削減と利便性向上を実現。
中国電力は、主に中国地方の電力の供給を行っており、契約口数は約520万件、配電線は総延長8万km。
自社のブランド「EnerGia(エネルギア)」には、「エネルギーがもたらす、あたらしく、あかるく、あたたかい活力のある社会」という意味があり、その社会の実現に向けて日々邁進している。
グループウエアに長年にわたり蓄積されたデータと、
近年構築した社内システムを横断的に検索したい
グループウエアは今、世界的に普及しているが、中国電力では、いち早くパナソニック ソリューションテクノロジー株式会社のGlobalDocを導入・活用してきた。しかし、長く利用しているうちに、様々な文書が保存されデータ量も膨大になり、導入当初はすぐに探せていたデータを徐々に探すのが困難になってきていた。また、近年のITの進化に伴い、いろいろな種類のホームページ(HP)系システムが増え、情報が様々な場所へ分散されて保管されるようになった。これら二つの情報の量と場所の拡大に伴い、社員は探したい情報にたどり着くことが難しくなり、異なる仕組みに保管されているデータを横断的に全文検索できるシステムの構築が必要となった。
検索エンジンの要件は、グループウエアに対応できて、
約2TBのデータを5秒以内で検索できるもの
このような状況のもと、2008年に従来から利用していた検索エンジンも含めて、一から再構築することになった。再構築にあたっての要件は、グループウエアの約2TBのデータとHP系システムの約35GBのデータを、参照権限を考慮したうえで、横断的に、5秒以内に検索できるというもの。検索エンジンの選定は、実質3社の検索エンジンを候補として、それぞれの検索エンジンの価格や、スピード、システム構成(ハードウエア構成はシンプルなもの)などを比較した結果、検索対象グループごとの属性入力項目の違いに柔軟な対応ができ、グループウエアへの組み込みやすさや、分散インデックス化による負荷分散も容易な点を評価しQuickSolutionを採用することになった。
検索サーバは2台で運用。インデックスを分散構成。
検索の手間や時間を短縮し、ハード構築費用のコスト削減を実現
初期に構築した新検索システムは、検索サーバを3台構成で運用している。1台は検証用に運用しており、平常時は実質2台で運用している。検索サーバ2台は、検索時間を短縮するため、インデックスを分散することにした。分散構成により、夜間のインデックス差分更新もより短い時間で処理が完了し、いつも最新の情報を提供できている。
検索システムを再構築したことで、ファイル形式にとらわれず電子ファイルを一括で検索できるようになった。カスタマイズや製品の機能を活かした様々な運用上の工夫も重ねた結果、検索の手間や時間を大幅に短縮できた。「検索結果にかかる時間を5秒!」という目標を掲げた検索システムの再構築は、参照権限を考慮した検索でも結果を得るまでの応答時間を平均5秒 でキープしており、満足できる結果が得られた。
QuickSolutionは、検索速度だけではなくサーバの構築費用の削減にも貢献してくれた。QuickSolutionのハード構成は非常にシンプルで保守も容易 なため、ハードの構築費用は他社の検索システムを利用する場合に比べて約1/2となった。
QuickSolutionをバージョンアップ。柔軟なシステムの構成によるさらなるコスト削減と利用者サポートの充実を実現
2013年、GlobalDocのバージョンアップにあわせて、QuickSolutionも最新バージョンにした。前回のカスタマイズで対応した様々な機能が
最新バージョンでは標準で提供されており、今回はカスタマイズ不要であった。
今回のバージョンアップでは、システム構成に様々な工夫を凝らすことで、柔軟なシステム構成とさらなるコスト削減を実現できた。一つ目は、当社で標準化を図っている社内プライベートクラウドサーバを利用することで、サーバコストを大幅に削減した。二つ目は、当社でのActiveDirectory(AD)認証の導入と、当社グループ会社でのID認証の併用である。この方法は、QuickSolutionの推奨運用環境ではないが、ちょうど2台あるクラウドサーバを利用して、1台はAD認証の設定を行い当社のログインサーバとして、もう1台はID認証の設定を行い当社グループ企業のログインサーバとして、複数の認証方式をメーカーの検証協力を得て同時実現した。
また、利用者のサポートの充実の工夫も追加した。一つ目は、利用者がよくある質問の検索に利用しているFAQシステムも検索対象に追加したことである。これにより、利用者に疑問点が発生した時の検索システムを、QuickSolution一本に絞り込むことができた。二つ目は、社内ポータル画面への検索窓の埋め込みである。これも、数行のHTMLタグを挿入するだけで簡単に検索窓を作成することができ、業務中にあたかもYahoo!で検索するような利便性を実現でき、利用率の向上も期待できる。
今後は、テキストマイニングなど、検索から分析へ進化するような、QuickSolutionのさらなる発展に期待しており、当社ではこれからもQuickSolutionを長く使い続けていきたい。
中国電力のご担当者様
情報通信部門(情報計画担当)
マネージャー 大森誠司 氏
情報通信部門(情報計画担当)
専任課長 田中広之 氏
情報通信部門(情報計画担当)
専任係長 渡辺健二 氏