株式会社虎屋

膨大な情報資産の有効活用

株式会社 虎屋

長い歴史の中で積み重ねられた
膨大な情報資産の有効活用を実現

創業約500年の和菓子店「とらや」を運営する株式会社虎屋では、IT活用による業務改革を全社プロジェクトとして推進。「膨大な情報から目的の情報を探すのに時間がかかる」という課題に対し、住友電工情報システムの純国産エンタープライズサーチ(企業内検索ソフト)QuickSolution(クイックソリューション)を導入した。OfficeファイルやPDFファイル、Notes(ノーツ)などのグループウェアからデータベースまで、社内に点在する情報の横断的な全文検索が可能となり、検索時間の長さを解消。業務の効率化を実現している。

IT活用による業務改革プロジェクトを推進
データ検索時間の長さが業務上の課題に

羊羹(ようかん)でおなじみの和菓子屋「とらや」。その創業は室町時代後期まで遡り、後陽成天皇の在位中(1586~1611年)から御所御用を勤める老舗だ。現在、国内外に約80店舗を出店。さらに「とらや」の和菓子を提供する喫茶「虎屋菓寮」や、あん(餡)の気軽な楽しみ方を提供するブランド「トラヤカフェ」、和菓子屋の原点を今の時代に再現する「とらや工房」をグループで展開している。

虎屋では、羊羹が世界中で親しまれているチョコレートのようになってほしいという思いで「羊羹を世界へ」という目標を掲げ、日本全国の和菓子屋が参加する羊羹の展示・販売会「羊羹コレクション」に参加。羊羹コレクションは2016年より海外でも開催されており、2019年にはニューヨークで開催。羊羹の原材料・歴史・食べ方の紹介や、歴史物の展示、和菓子の製造実演などを行った。株式会社虎屋 経営戦略室 室長の永沼秀典氏は、「1980年にはフランスのパリにも出店しています。羊羹の魅力を世界へ伝える取り組みは今後も継続していきます」と語る。

2018年10月には「赤坂店」がリニューアルオープン。お客様にとって居心地の良い店でありたいという思いから、和菓子屋として必要な要素に特化した低層の建物となり、生まれ変わった。

虎屋では現在、全社を挙げて「IT活用による業務改革プロジェクト」を推進している。永沼氏はそのプロジェクトリーダーの一人だ。永沼氏は「全社から主要メンバーが集まり、IT活用による業務改革をいかに進めるかを話し合い、課題を一つ一つ解決しています」と話す。そこで挙がった課題の一つが、「データ検索に膨大な時間を費やしていることが多く、本来業務を行うまでの情報収集に時間がかかっている」ことだった。

長い歴史を持つ虎屋は、IT化への取り組みも早く、1970年代にはオフコンを導入。以来、さまざまなシステムを活用してきた。「歴史の長さは、蓄積されてきた情報資産の多さにも繋がります。紙、デジタルを問わず、さまざまな情報資産が社内に散在し、業務のための情報収集に時間が掛かってしまっていました」と永沼氏は振り返る。

情報を横断的に全文検索可能なQuickSolution
社内テストで約95%のユーザーが高評価

当初は、従来から利用していたグループウェア「Notes」の利用を止め、コミュニケーション基盤ごとデータ検索の課題も解消する方向で検討を開始した。しかし、新規基盤の構築コストの問題もあり、現行の資産を生かしながら検索の速度を上げられないかを検討したという。

「検索対象となるデータはファイルサーバやNotesサーバに点在しており、ファイル数は約170万件にのぼる。これらを横断的に、しかも素早く検索できるソリューションを探した。虎屋がたどり着いたのが、住友電工情報システムの「QuickSolution」だ。
QuickSolutionは、純国産のエンタープライズサーチ(企業内検索ソフト)製品。社内に点在する情報を横断的に全文検索し、情報活用を強力に支援する。

永沼氏はQuickSolutionについて、「OfficeファイルやPDFはもちろん、Webサイト、Notesなどのグループウェアからデータベースまで、社内に点在する情報を横断的に全文検索できる点が良いと感じました」と語る。経営戦略室 主任の土屋明子氏も、「とくに、Notes上のアプリケーションを横断して、情報を素早く検索できることが当社にとってメリットになると評価しました。個別のNotesアプリケーション、データベースごとではなく、横断的に検索できるソリューションは他にあまり例を見ませんでした」と語る。

経営戦略室での評価後は、実際に社内ユーザーにQuickSolutionを試験的に利用してもらった。「テスト利用後にアンケートを採ったところ、実に約95%のユーザーがQuickSolutionは“かなり役立つ”、“役立つ”と回答しました。これで正式にQuickSolutionを導入することを決めました」(永沼氏)。

2019年8月初めから検索システムの検討をスタート、社内テストを実施し、翌9月には業務改革プロジェクト、社内の決裁を経て、正式に導入を決定。10月、11月の2ヶ月で構築を行い、12月には稼働をスタートした。

実際にQuickSolutionの構築を担当した土屋氏は、「苦労する点はほとんどありませんでした。Notes上に多くのアプリケーションが存在していたため、当社はシステムの設計段階で多くのやり取りが必要なんだろうと思っていたのですが、担当の方がとてもNotesに詳しくて、ほとんどお任せで構築が完了してしまいました。住友電工情報システムは、技術力が非常に高いと感じました」と構築時の住友電工情報システムによる支援を評価する。

かゆいところまで手が届く、優れた国産アプリケーション
データ検索時間の短縮だけでなく、
利用されなくなっていた情報資産が蘇る

虎屋では構築と並行して社内で導入説明会を実施。住友電工情報システムの支援のもと、東京、御殿場(工場)、京都(工場と営業)の3地区で合計6回の説明会を開催した。導入の背景や狙い、有効利用のお願いを直接語り、導入後のスムーズな活用に繋げることができた。

正式稼働後は全社員のQuickSolution利用が可能になっている。永沼氏は、「とくにレスポンスタイムが速い点は良いと思います。検索結果のハイライト機能やヒットページ表示など、国産ならではの、細かいところ、かゆいところまで考慮した作りになっていて優れたアプリケーションです」と評価する。Notesを横断的に素早く検索できることはもちろん、とくにActive Directory 配下にあるファイルサーバの検索時間が大幅に短縮できているとも話す。

運用面でもまったく手間のかかる点はないという。「特別な設定も必要なくファイル単位のアクセス権限を継承できますので、面倒な点はありません」と土屋氏。住友電工情報システムによる運用開始後の支援についても「問い合わせへのレスポンスもよく、的確です」と話す。

「IT活用による業務改革プロジェクト」で課題として挙がった「データ検索」については、QuickSolutionの導入により解決となったが、虎屋ではこれからも社内ユーザーへのさらなる活用推進を行っていく構えだ。

「当社は歴史とともに多くのアプリケーションやシステムを利用してきており、今回QuickSolutionを導入したことで、あまり利用されなくなってしまっていたアプリケーションやシステム、それらに紐付く情報資産を蘇らせる効果があるのではないかと期待しています。単に検索が速くなったという以上の効果を生み出していきたいと思います」と永沼氏は期待を語った。

経営戦略室 室長
永沼 秀典氏
※本事例中に記載の組織名や肩書き、数値、固有名詞等は取材時点の情報です。

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