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企業が脱ハンコ(ハンコレス)を進めるために必要なこと

2020年に入り感染症など不測の事態を受け、テレワークを取り入れる企業も増えてきました。
それに伴い、書類に印鑑を押さなくても良いとする「脱ハンコ」の動きが広がっています。
では、企業は押印を無くすためにはどのようなことから始めればいいのでしょうか。
具体的な手順についてご紹介します。

脱ハンコ(ハンコレス)を進めるために必要なこと

脱ハンコ(ハンコレス)とは

従来の業務では、契約書や請求書、納品書、社内の稟議書など、数々の紙の書類にハンコを押す必要があります。
この業務があるため、テレワークだけでは業務が進まない場面もありました。
テレワークでの業務を円滑に進めるため、脱ハンコの機運が高まっているのです。
現在、脱ハンコの方法として期待されているのが、押印業務を省略できる「電子署名」や「電子承認ツール」です。

※監修者コメント

テレワークを積極的に導入した会社の中で、オフィスへの出社が一番多いのは総務や経理などのペーパーワークの職種と言われています。紙での押印業務を本当にオフィスにて紙で行う必要があるのか、紙文化の必要性を見直してテレワークに対応した業務オペレーションを考えてみましょう。

電子署名

電子署名とは、PDFなどのファイルやシステムなどの電子上でハンコの代わりになるものです。
電子署名を付与することで、電子署名者の情報が電子ファイルに記録されます。
そのため電子上のファイルであっても、承認された書類であることが証明できます。
また電子署名を付与した電子ファイルは編集不可能なので、書面の偽造や改ざんなどができません。
また2001年4月1日には「電子署名法」が施行されています。
これは電子署名が、押印や手書きでの署名と同様の意味を持つことを証明する法律です。
電子署名法によって電子署名がされた電子文書も、紙の書類に押印されたものと同等に扱われるようになりました。

電子承認

電子承認とは、企業内の申請・承認・決裁のワークフローを電子化することです。
電子承認を利用すれば、紙の書類に捺印したり、郵送したりする手間が省けますので、業務効率化につながります。
過去の申請についても、内容の検索や承認履歴の確認が行えるので、類似する申請なども簡単に行えるようになります。

※監修者コメント

2020年4月1日以降開始する事業年度から大法人の法人税や消費税申告の電子申告が義務化されるなど、社会全体で書類の電子化の流れが進んでいます。今後の法対応の面からも、電子署名や電子承認に対応した業務フローを整備していく必要があります。

脱ハンコ(ハンコレス)とは

脱ハンコを進めるために企業がまず取り組むべきこと

ハンコレス化を進めるには、まず社則を変えたり、コストを計算したり、業務フローを変化させたりなどさまざまな事項を検討する必要があります。ここでは企業がまず取り組むべき事項をご紹介します。

書類の仕分け

脱ハンコをする上で、社内の書類を仕分けることも必要です。

  • ハンコが必要な書類
  • ハンコに代わる処理で充分な書類
  • ハンコが必要無い書類

上記などに分類し、法的にハンコが必要な書類について電子署名で代替できるのかを検討します。
また、ハンコに代わる処理で充分な書類については、電子承認ツールを検討します。
さらに「その書類は本当に必要なのか」という観点を持って業務を選別することも必要です。

※監修者コメント

テレワーク対応を進めるにあたり今までの社内の業務を整理・マニュアル化する事で、業務の効率化やムダの洗い出しを行う事ができた会社もあります。脱ハンコ(ハンコレス)をきっかけに、業務の見える化、効率化も進めてみましょう。

セキュリティ対策

たとえば紙書類での処理を無くした場合、印鑑は不要になります。
しかしデータは改ざんが可能であることから、改ざん対策を採らなくてはいけません。
そのため、セキュリティ対策がされた電子承認・電子決裁ツールを新たに導入することも考えないといけないでしょう。

コスト計算と業務フローの共有

新しく電子承認・電子決裁ツールを導入した場合、コストの計算や、業務フローの変化についての指針をまとめます。
また新しい業務フローについては早めに社内で共有する必要があります。

相手側も電子署名制度を利用しているか確認する

契約書など、相手側がいる場合は、双方が電子署名制度を利用していなくてはいけません。
そのため電子署名制度を導入する際には、自社だけでなく相手も電子署名が可能であるか事前に確認が必要です。

※監修者コメント

契約書の電子署名サービスの中には、相手側がそのサービスを導入していなくても相手が電子署名できるようなサービスもあります。導入にあたっては電子署名サービスの機能も比較するのが良いです。

企業がまず取り組むべきこと

脱ハンコで進む承認ワークフローの効率化

ハンコを使っての業務を無くすことによって、企業にはさまざまなメリットがもたらされます。
たとえば以下のようなメリットが考えられます。

承認にかかる時間を短くできる

紙の書類にハンコを押す場合は、社員がハンコを持つ人間に書類を手渡しに行く必要があります。
これがオンライン上で行えるようになれば、決定権を持つ人間がボタンを押すだけで承認ができます。
また依頼をする側も、リモートで書類を提出できます。
さらに紙の書類は、ファイリングしたり、管理に場所を取ったりなどの手間がありました。
データであればこれらの手間を省け、紛失のリスクも回避できます。

いつでもどこでも確認・承認できる

インターネットにつながっていれば、どこでも確認ができるので、時間と場所を選ばず承認ができます。
たとえば承認や決裁を行う人物が出張でいない場合でも、オンライン上ですぐに承認が可能です。
迅速に決裁業務が可能なので、業務フローが効率化され、稟議のスピードを上げられます。

※監修者コメント

紙の書類は承認者がその場ですぐに承認・押印して書類を返さなければいけないと思い、チェックが雑になってしまうケースもあります。オンライン上での承認は、承認者がしっかり書類の中身をチェックしてから承認できるというメリットもあります。

脱ハンコで進む承認ワークフローの効率化

脱ハンコを進めるためにツールを活用

企業が電子承認を進めるためには、電子承認ツールが必要です。
電子承認ツールは、電子承認に特化したツールでセキュリティ対策も行われているため、ビジネス利用には最適です。
電子承認ツールを利用すれば今まで手作業で行っていた承認までの流れが、一括で管理できます。 紙書類の場合、紙コストや保管コスト、輸送コストなどさまざまなコストがかかっていましたが、それらも削減可能です。

※監修者コメント

書類の電子化によるコストメリットとしては、紙の契約書では必要となる収入印紙代が、電子契約書に電子署名した場合は不要となるという点もあります。

テレワークが推進されることによって、世の中は脱ハンコの機運が高まっています。
この機会に電子承認ツールの導入・利用を検討してみてはいかがでしょうか。

申請書の電子承認で業務効率化

紙の書類にハンコを押すという今まで当たり前だった業務には、実は多くのフローとコストがかかっていました。
これを電子化することによって、承認フローが省力化でき、業務効率化にもつながります。

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電子承認で文書の品質を担保

申請書以外にも、「文書の正しさ」や「文書の完成」をあらわすためにハンコが必要なケースもあります。この場合、電子承認ができる文書管理システムを利用すれば、紙文化より一層文書の品質を担保できます。
申請・承認だけでなく、関係者への周知・共有もリアルタイムに行え、システム上で常に最新文書を確認できるので、文書の取り違え等も発生しません。

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監修者プロフィール:
村田光平(法務コンサルタント 公認会計士・税理士・行政書士)
2005年公認会計士2次試験合格後監査法人に勤務、その後10名規模の会社のバックオフィス全般の実務経験を経て2010年に独立。個人税理士事務所の運営の他、IT企業の監査役やベンチャー企業の管理部門責任者として法務・税務の専門的アドバイザーとして活動。

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