超高速開発とは?

超高速開発とは、設計情報からプログラムをノンプログラミングで自動生成することで、従来の開発手法に比べて、圧倒的に短期間でシステムを開発する手法です。超高速開発ツールには、ソースコードを自動生成するタイプや、ソースコードを生成しない実行エンジン型、サービス型など様々な製品、サービスがあり、どれを採用するか選択に迷うところです。自社の開発要件やIT環境に応じて最適なものを選択する必要があります。

超高速開発ツール楽々Framework3の利点

楽々Framework3はソースコードを生成しない、部品組み立て型(実行エンジン型)の超高速開発ツールです。コーディングレスでWebアプケーションを開発できるだけでなく、部品組み立て型=コンパイル不要の特性を生かした利点を持っています。部品も画面やメニュー、ロジックなどの部品を大小多く取り揃えているので、必要に応じて細かな拡張設定が画面から行えます。

また、他のアプリケーションとの連携や固有の業務要件などの対応のためにアドオン形式でコーディングを加えることもできます。作成可能なアプリケーションも部門で利用するような小規模なアプリケーションから全社で利用するようなアプリケーションまで幅広く適用することができます。

かんたん構築

初心者であっても豊富な部品を組み合わせるだけで、ノンプログラミングで、複雑な画面(GUI)や高度なセキュリティ対応、マルチブラウザ・マルチデバイス対応のプログラムを短時間で作成することができ、業務要件を素早くアプリケーションという形にしてリリースすることができます。新しいプロジェクトチームでもすぐに開発が立ち上がります。

かんたん保守

プログラムの更新時に個々のプログラムを再コンパイルする必要はありません。コンパイルレスでプログラムをすばやく更新できます。さらに、新しいブラウザやセキュリティに対応するような場合も基本ライブラリを入れ替えるだけ。最小限の人員でシステム保守が可能です。

システムをリリースした後、利用者のフィードバックやビジネス戦略を素早く取り入れ、アプリケーションの改修・改善を高速に行うことができるため、利用ユーザの満足度を上げるだけでなく、ビジネス貢献もできます。

あんしんの性能と信頼性

大企業の基幹システムで鍛えられた部品群は、高い性能と信頼性を誇ります。動作保証された部品を利用することでバグの混入を防ぐことができ、誰が作成しても、高性能、高信頼性でかつセキュリティに配慮した高品質なプログラムができあがります。

これひとつでOK

適用領域は大企業の基幹システムからBtoCのWebサイト構築まで非常に広く、Webアプリケーションであれば、このツールひとつであらゆる開発に対応することができます。 (導入事例)

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楽々Framework3の生産性

開発ツールの生産性を正確に評価するのは簡単ではありません。実際のプロジェクトでは、上流の仕様不備・抜けやそれに伴う手戻り等、開発ツールとは別の要因で工数が増加し、生産性が低下することが少なくありません。

さまざまな要因を取り除いて、純粋に開発ツールの生産性を実プロジェクトで評価することは困難ですが、住友電工情報システム(株)では長年にわたりプロジェクトの生産性データを測定してきました。これを外部のデータと突き合わせることで部品組み立て型開発の効果、超高速開発ツール楽々Framework3の実力を統計的に評価しています。

IPA/SEC生産性データとの比較

下記は住友電工情報システムにおける約10年間のデータに基づく開発生産性をIPA/SEC(IPA 独立行政法人 情報処理推進機構)が保有する生産性データと比較したものです。計測プロセスは開発規模と相関の大きい外部設計~統合テストで、対象はそれらがすべてそろったプロジェクトです。

超高速開発ツール楽々Frameworkの開発生産性はIPA/SECの平均生産性の3~5倍で、大きなコスト削減効果を示しています。大規模開発でも生産性が落ちないのが大きな特長です。

IPA/SEC生産性データとの比較

経済調査研究レビュー 2016.9 Vol.19

経済調査研究レビュー 2016.9 Vol.19「ソフトウェア開発におけるフレームワーク使用と生産性」において、Struts, 自社開発フレームワーク、部品型フレームワーク、その他フレームワーク、及びフレームワーク不使用の場合の生産性が比較されています。この中で、部品型フレームワークは10,000FP以上の開発において、Strutsの3倍、フレームワーク不使用の場合の6倍の生産性となっており、他のフレームワークより優れた結果となっています。

経済調査研究レビュー 2016.9 Vol.19

高生産性を実現する部品組み立て型開発とは

楽々Framework3は前述の通り、ソースコードを生成しない部品組み立て型の超高速開発ツールです。さまざまな粒度の部品群を自動的に組み立て、楽々Framework3の開発GUI RakStudio上で設定の追加・編集を行うことでプログラムを完成させます。スキル不足の初心者であっても、短期間の教育で超高速開発が可能です。

超高速開発ツール楽々Framework3が提供する部品群

楽々Framework3が提供する部品群は大きく分けると下記のようになります。ここで、粒度は部品の大きさ、再利用性は特定の部品がどれだけ頻繁にプログラムで利用されるかを表します。再利用性◎はほぼすべてのプログラムで使われているレベルです。最も大きな部品であるパターンはJava数千行のプログラムに相当します。

処理の種類 記述内容 粒度 再利用性
基本的な共通処理 ログイン認証、権限チェック、ログ出力、データベースとの接続等
項目オブジェクト
(データ部品)
データ項目に結びつく属性と処理。
データ表示、エラーチェック等
パターン
(プログラム部品約900種類)
画面コンポーネント・ロジックリストを組み合わせ、画面表示、画面遷移、データベース入出力処理を含んだプログラムを丸ごと部品化したもの。 特大
画面コンポーネント 画面の構成要素。データの入力や表示を行なう部分を指します。その他、ファイルやボタンなどもある。
ロジックリスト データの検索、登録、更新、削除時に実施する各種ロジックのリスト。

超高速開発を可能にする部品「パターン」とは

部品群の中で最も超高速開発、すなわち生産性に最も効果を発揮するのがパターンという部品です。パターンは画面入出力、画面遷移、データベース処理を合わせ持つ非常に大きな部品で、プログラム本体を丸ごと部品化したようなものです。

パターンに具体的なデータ項目や各種パラメータを与えればすぐにプログラムとして動作します。パターンを使えば、ノンプログラミングで開発できるだけでなく、開発する機能が局所化され、そもそも画面遷移やさまざまな画面制御、基本的なエラーチェック等多くの機能を開発する必要がなくなります。開発しないで済ますことが最強の超高速開発なのです。

現在パターンは900種類以上あります。これらは住友電工グループで活用されているさまざまな業務画面をベースに多数のお客様の20年近い開発実績の中で充足させてきたものです。これらのパターンで業務システムのほとんどの処理に対応することができます。

超高速開発を可能にする部品「パターン」

パターンを使った部品組み立て型超高速開発

楽々Framework3はこのパターンや他の部品群を活用して超高速開発を実現しています。

その1:データベース定義から完成度の高いプログラムを一気に自動組み立て

例えば50のテーブル定義があれば数百本の動作可能なプログラムが自動的に組み立てられます。生成されたプログラムはそのまま動作し、運用可能な完成度の高いものです。

その2:RakStudioで画面レイアウト編集、業務処理追加をノンプログラミング開発

自動的に組み立てられたプログラムをブラウザ上で稼働する楽々Framework3の開発GUIであるRakStudioで編集します。画面レイアウトの調整、追加処理の記述などすべてノンプログラミングで簡単に行うことができます。*1

その3:コンパイル不要。設定変更のみですぐに反映

部品組み立て型なので、パラメータ変更は即時処理に反映、再コンパイルは必要ありません。例えば、データ部品(項目オブジェクト)により、画面上の項目名や表示長などを一か所で変更すればすべての画面に即時反映されます。

*1 Javaで外部処理を書く場合はコンパイルが必要になります。

部品組み立て型開発の特長

超高速開発ツールにはソースコードを自動生成するタイプと楽々Framework3のような部品組み立て型(ソースコードを生成しないタイプ)があります。どちらも、設計情報からプログラムを自動生成します。アーキテクチャーは大きく異なりますが、設計情報からプログラムを自動生成する点では大きな違いはありません。違いが出るのは自動生成できない処理を追加する場合です。

ソースコード自動生成型ではプログラマーはソースコードを自由に修正できるので自由度が高い反面、ソースコードを直接修正すると、再生成時に修正部分が上書きされてしまいます。そのため、細かいロジック等すべての処理を設計情報に含めて100%自動生成をめざすか、あるいは追加記述部分のソースコードを分離するなどの工夫が必要になります。自動生成部分のソースが修正されていないことを保証する仕組みも必要です。

部品組み立て型開発では部品にプラグインする形で追加処理を組み込みます。追加処理部分は部品と完全に分離され、保守対象となるソースコードは局所化されます。また、部品本体はいつでもバージョンアップすることが可能です。例えば、新しいOSやブラウザに対応する場合、すべてのプログラムを再生成して再コンパイルする必要はなく、ベースモジュールのライブラリを置き換えるだけです。

また、部品が実現する機能に関しては設計情報を変更するだけで即座に反映させることができるので、業務を停止させることなくプログラムの変更が可能です。このように、部品組み立て型開発によるシステムは保守性がよく、その効果はシステムの規模が大きくなる程、利用期間が長くなるほど顕著になります。

成功のポイント

これまで、超高速開発を実現するために超高速開発ツール楽々Framework3に焦点を当ててきました。しかしながら、超高速開発を成功させるためには開発ツールがどれだけ優れていてもそれだけでは不十分です。ITがいかに進歩しようと変わらない基本が重要です。

基本は標準化、共通化

楽々Framework3は非常に柔軟性の高い超高速開発ツールです。パターンを使って一気にプログラムを作ることもできれば、ページ単位に画面レイアウトや画面遷移を設定して自由に作成していくことも可能です。

ページ単位に画面レイアウトや画面遷移を設定していく方法は、自由度が高く直感的ですが、大量のプログラムを低コストで超高速開発するような開発には向きません。大量のプログラムを効率的に開発するためには、パターンを最大限活用して、「開発しない」部分を最大化することがポイントです。そのためには、できる限り標準部品を使って処理を共通化する意識と、それを利用者へ提案する力が必要になってきます。

楽々Framework3の部品群はカスタマイズ可能ですので、お客様それぞれに応じた開発の標準化を強力に進めます。

データベース設計(データモデリング)

ほとんどの超高速開発ツールはデータベース設計を起点としています。業務システム開発ではデータベース設計が命と言っていいでしょう。データベース設計の品質が悪いと、データベース仕様の追加・変更が頻繁に発生し、データベース構造を大きく変更せざるを得ないような事態も発生します。そうなるとプログラム開発の手戻りも大きくなってしまいます。

逆にデータベース設計品質がよければ、仕様の追加・変更があってもデータベース構造が大きく変わることはなく下流工程に与える影響が少なくて済みます。超高速開発ツールを使えば、プログラム開発工程は大きく短縮されますので、より上流の設計品質がプロジェクト全体の生産性を左右するようになります。特にデータベース設計の品質が、超高速開発ツールの性能を最大限に引き出すポイントなのです。

アジャイル開発手法を組み合わせる

アジャイル開発手法に超高速開発ツールを組み合わせることは非常に有効です。よく、生産性向上やコストダウンのためにアジャイル開発手法を導入というような話を聞きますが、本来、アジャイル開発手法は顧客満足度の高いシステムを構築することが目的であり、生産性向上やコストダウンを目的としたものではありません。

ところが、アジャイル開発手法に超高速開発ツールを適用することで、生産性向上はもちろんアジャイルの本質であるアジリティも大いに向上する魅力的な開発手法になります。ビジネス課題に柔軟にかつ素早く対応できるソリューションになるのです。エンタープライズ分野の事例はまだ多くはありませんが、これから普及が進むと見られています。

もちろん楽々Framework3もアジャイル開発に対応した機能を備えた超高速開発ツールです。超高速開発ツール楽々Framework3を使って開発すれば高速イテレーションが可能になり、イテレーション期間を短く、フィードバックの頻度を多くすることができます。

これにより、生産性だけでなくアジリティも向上させることが可能です。
また、楽々Framework3の仕様書の自動出力機能はドキュメント作成を省力化し、自動テスト支援機能はテストファーストの実施をスムーズにします。Redmineを活用したチケット駆動開発支援機能も準備しています。

このように超高速開発ツールはアジャイル開発手法と非常に親和性が高いと言えるでしょう。(アジャイル開発ツール)

超高速開発イメージ

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