株式会社JA茨城県農協電算センター

株式会社JA茨城県農協電算センター

大規模JAシステム自社開発

全国有数規模の大規模JAシステムを完全自社開発で再構築

購買、財務会計、組合員情報など、6つのシステムが全面稼動

全国有数規模の茨城県下のJAを支えるシステム

首都圏の一角に位置し、霞ヶ浦や筑波山など、豊かな自然や広大な平地に恵まれた茨城県は、農業の一大拠点として、首都圏をはじめ、食料供給に重要な役割を担っている。耕地面積は北海道に続き、全国二位を誇り、メロン、れんこん、干しいもなどの生産高は全国一位となっている。

株式会社茨城県農協電算センター(以下、JA茨城県電算センター)は、茨城県下のJA(農協)の情報処理センターとして、多種多様な業務支援システムの開発と運用などのサービス提供を行っている。

同社では、農業生産に必要な生産資材(肥料、農薬他)などを扱う「購買システム」を始めとするJA内システムの再構築(次期システム)に、楽々FrameworkII(以下、楽々FWII)を採用し、全国有数規模である茨城県下のJA経済・管理システムを自社開発で再構築した。

次期システムにあたっては組合員への一層のサービス向上とシステムコスト削減を大きな柱とした。

今回のプロジェクトについて、開発部 次長 前嶋氏、審査役 小室氏、副審査役 池田氏に話を伺った。

池田 学 氏
株式会社茨城県農協
電算センター
開発部 副審査役
池田 学 氏
小室 雅美 氏
株式会社茨城県農協
電算センター
開発部 審査役
小室 雅美 氏
前嶋 潔 氏
株式会社茨城県農協
電算センター
開発部 次長
前嶋 潔 氏

6つのシステムを再構築。オープン化決定とツールの選定

約15年間、メインフレームで大規模システムを運用してきた同社では、ハード、ソフトだけでなくネットワークや端末に至るまで高い維持費が大きな課題となっており、2005年に次期システムではメインフレームからの脱却を図り、柔軟なオープンシステムに移行することが必然との結論に達した。

そして、システムの更新時期を考慮して2008年12月までに、

  1. 農業生産に必要な資材(肥料、機械など)や生活必需品を組合員に提供する「購買システム」
  2. 「財務会計システム」
  3. 「自己査定システム」
  4. 「経営管理システム」
  5. 業務共通の「組合員情報」
  6. ユーザーID/権限管理などの「システム共通」

の各システムを、一次開発としてダウンサイジングすることに決定した。

また、同社ではシステム開発・保守のコスト削減、リードタイム短縮のため、外部ベンダーへの依存度を抑えて、原則として自社開発とする基本方針を掲げた。

開発言語としてはポータビリティに優れたJavaがベストと結論付けたが、経験の浅い言語で大規模システムを開発するためには開発ツールの使用は不可欠であり、有償・無償を問わず広範囲にツールを調査した。各ベンダーからの製品説明はもちろん、デモで開発手法を確認するなど詳細に開発ツール製品の比較検討を行った。

そのような中で、「楽々FWIIは、プラグインの実装方法が分かりやすいものでした。 Javaの開発経験やHTMLの知識が乏しい開発者でも簡単に利用することができるため、現行の業務画面をできるだけそのまま維持したいというこちらの要望も満たすものでした。」と、前嶋氏は語る。

他府県JAでの成功事例も評価され、自社開発体制のコアとなるツールとして楽々FWIIの導入を決定した。

購買業務システムの画面例

購買業務システムの画面例

楽々FWIIベースの標準化ルールを徹底して自社開発体制を確立

同社は、本格開発の前にまず、住友電工情報システムのオンサイトサポートも活用しながら、楽々FWIIによる開発方法を徹底的に勉強した。2006年1月より半年にわたり、楽々FWIIの動きや強みを理解し、ツールとして使い込めるまで行った。実際の業務をイメージしたプロトタイプを自分たちで作成する中で、ER図作成以降の開発の流れをつかんだ。

しかし、一方で、プログラムパターン(楽々FWIIが提供するプログラム部品)の数の豊富さなど、楽々FWIIの柔軟性が、逆に開発者の迷いにも繋がる可能性もあると判断し、本格開発までに徹底した標準化を進めた。

例えば、主として使用するプログラムパターンを規定したり、入力データチェックのタイミングを詳細に規定したりして、標準化ルールを作成した。新たに参画する開発メンバーには、楽々FWIIの講習を受講させるとともに、この標準化ルールを徹底することで開発時の迷いをなくした。

こうして同社は楽々FWIIによる効率的な開発手法を完全に自社のものとし、開発パートナー会社内の楽々FWII開発者育成を含めて自社開発体制を確立した。これが大規模システムの再構築プロジェクトを成功に導く大きな要因となった。

要件定義、概要設計のあと、2006年10月から内部設計、プログラミングに着手し、3504本(オンライン:1021、バッチ:2083、帳票:400)におよぶメインフレーム上のシステムのダウンサイジングを実施し、初のJavaシステム開発ながら予定通り開発を完了させ、2007年11月からはシステムテストに移った。そして、2008年8月にモデルJAで本番稼動し、11月には当初予定通り、全28JAでの全面稼動に至った。

開発工数削減だけでなく、さらなる効果も

楽々FWIIによる開発を振り返り、小室氏は、「ホストでの開発との単純な比較は難しいですが、開発工数を削減できたという実感はあります。部品や機能の多さという楽々FWIIの特徴を徹底した標準化で単純化させたこともあって、開発のしやすさ、分かりやすさも向上したので、生産性は大幅に向上したと思います。楽々FWIIだからこそ、初めてのJava システム開発で、大規模なシステムをほぼ算定どおりの時期に稼動させることができたと思います。」と語る。

さらに現在進行中の二次開発についても、「楽々FWIIの画面開発ツールであるRakDesignerの活用により、画面の動きが即座に確認できるため、エンドユーザに対して画面イメージをすぐに提示できるようになりました。要件整理の段階から効果を発揮しており、顧客満足向上、納期短縮にも大きく寄与しています。」と池田氏は語る。

システム構成図

システム構成図

今後の展開 ~二次開発の稼動、そして今後~

一次開発により6システム(購買・会計・自己査定・経営管理・組合員・システム共通)が2008年11月に全面稼動し、現在は、二次開発が進められている。まず2009年12月に出資金システムが稼動し、麦・米の販売システムも2010年春に稼動予定である。今後の展開について、前嶋氏は次のように語る。「住友電工情報システムさんには、これまでもオンサイトサポートに加えて、サポートサイトも活用しながら開発支援や機能改善で対応いただいていますが、今後も楽々FWIIの特長を活かした開発を積極的に進めていく予定ですので長期的にサポートをお願いしたいと思います。」

今回のシステム導入で、大規模システムの自社開発を成功に納めた同社のさらなる活躍を祈りたい。

※本事例中に記載の社名や肩書き、数値、固有名詞等は取材時点の情報です。

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