タカラベルモント株式会社
営業支援システム
目次
「サロン提案システム」と「営業支援システム」の構築に
楽々FrameworkIIを採用
理美容事業の強化のため、戦略的システムの構築を自社で実現するために楽々FrameworkIIを採用。
タカラベルモント株式会社(以下、タカラベルモント)は、大正10年の創業以来、理美容設備・機器のトップメーカーとして約90年にわたり理美容業界に牽引してきた。現在のフィールドは、理美容設備・機器だけにとどまらず、エステサロン、ネイルサロン、デンタル・メディカル関連機器、店舗、病院の設計や施工など、多岐にわたっている。同社では、理美容事業の強化のため、戦略的システムの構築を自社で行うことになった。
選んだのは住友電工情報システムのJava開発ツール、楽々FrameworkIIであった。
COBOLからWebへ 楽々FrameworkIIの採用を決定
構築に際しては従来のホストシステムでなく、Webシステムとする方針が決定したが、当時同社ではCOBOL技術者を多く抱えていたため、web系を経験したことがない、COBOL技術者でも開発できるようなツールが必要であった。そんなとき、タカラベルモント、 IT推進部 CRM担当マネージャー永井氏は、開発ツールの展示会で住友電工情報システムの楽々FrameworkII(以下、楽々FWII)と出会う。「楽々FWIIのデモストレーションを見て、これはいけると思いました。
当時のうちのベテラン技術者は、オブジェクト指向設計までは無理だが、プラグインとしてのJavaプログラミング程度ならできるというレベルでした。楽々FWIIはプラグインで手軽にロジックを組み込む機能があったこと、なじみやすいT字形ER図を活用していること、これならCOBOL技術者が簡単にWeb系にシフトできると思いました。」と永井氏は語る。
IT推進部マネージャー
永井 美千夫 氏
開発期間9ヶ月、開発要員3名で稼動へ
営業員を含めた10名でのプロジェクトチームでミーティングを重ねた結果、売上・利益の増える仕組みをつくるために、二つの大きな柱が固まった。
(1)営業マネージメントの強化 (2)販売・マーケティングの強化 である。
二つの柱を満たすために、「営業支援システム」とショールームでのサロン検索システム、「Salon Retrieval System」の開発が決定した。「一番重要視したのは、社員が学習できるしくみを作ることでした。そのシステムを使っていくうちに、社員の能力も上がっていく。プロジェクトの中では大きな課題でした」と永井氏は言う。
「営業支援システム」新規開発にあたり、プロジェクトチームが出した結論は、営業支援システムは、到達点がないシステムであり、社内の状況に合わせて常に進化していくものである、ということ。運用の中で変化していくシステムを目指すことにした。
開発期間、要員とも厳しい要求が与えられたが、最終的に、開発要員3名で、設計期間1ヶ月、開発期間6ヶ月、テスト期間2ヶ月を経て、9ヶ月後に運用開始にこぎつけたのであった。
IT推進部
川上 徹 氏
「営業支援システム」とは
今月の売上・利益だけを上げるのではなく、中期的観点を見据えた「売上・利益の増える仕組み」をつくるために、タカラベルモントでは、営業員各個人が持っている情報、ショールームの来客情報、ホームページやお客様センターなどの全ての情報を営業支援システム上で入力、共有化できるようにした。成功事例だけでなく、ロスト案件も共有することにより、営業員が次の案件に向けて、分析・学習できるしくみとした。また見積情報や売れ筋商品・提案商品の情報を各関連部署へ連携、商品開発へのフィードバックが行えるようにした。「営業支援システム」上に情報を共有することで、個人依存的な営業から組織的な販売へと営業力を強化し、また、結果主義からプロセス重視主義への移行を実現した。プロジェクトチームが目指した「売上・利益の増える仕組み」を盛り込んだシステムがここに完成したのである。
サロン検索システム「Salon Retrieval System」
パターンにない動作や画面はプラグイン等で実装
「Salon Retrieval System」は、全国37ヶ所のショールームと海外主要ショールームにて展開中である。インテリアデザイナーの作品から、サロンでの使用機器、各ブースサロン全体などをキーに、サロンデザインを検索するシステムである。ショールームの来場者は、実際の空間を確認し、サロンのイメージをつかむことができる。このシステムはショールームを訪れた利用者が直接操作するため、デザイン性と操作性を重視した。このため、画面は社内のデザイナーが担当して制作し、それを楽々FWIIのテンプレート機能で組み合わせた。また複雑な画面操作は、DDプラグインやパターンプラグインとしてJavaでコーディングして組み込んだ。「営業支援システム」の場合は、ほとんど楽々FWIIの標準パターンを使用し、新規作成でも修正でも高い生産性を示したが、「Salon Retrieval System」ではプラグインを多用したため、そこまでの生産性とはならなかった。 しかし、データ取得によるHTML生成の省略化、項目属性の一元管理、JavaScriptの自動生成、豊富なライブラリなど、楽々FWIIによる恩恵は享受でき、十分なメリットがあった。
「Salon Retrieval System」と「営業支援システム」のこれから
「Salon Retrieval System」は、日本国内だけでなく、海外主要ショールームにて展開している。今後は、このシステムの検索結果を蓄積した”顧客嗜好データ”を分析し、販売・マーケティング強化に繋げていく。また、「営業支援システム」も、蓄積されたデータを商品開発や販売チャンネルの強化に繋げていく。
理美容業の先進国日本で、タカラベルモントはこれからもトップメーカーとして走り続け、「美と健康」を永遠のテーマとして追求し続けていく。
※本事例中に記載の社名や肩書き、数値、固有名詞等は取材時点の情報です。